1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454571
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部, 講師 (40197140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 千春 昭和大学, 歯学部, 講師 (90229485)
今井 智子 昭和大学, 歯学部, 講師 (10112731)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | 嚥下障害 / 頸部聴診法 / 嚥下音 / 呼気音 / 音響学的特徴 / 客観的評価 |
Research Abstract |
本研究は嚥下音と呼吸音の音響特性を利用して嚥下障害を客観的に診断することを目的として行った。 対象は舌癌患者14名で、5mlのバリウム嚥下時に産生する嚥下音と呼気音を検出し、透視画像とともにVTRに記録した。音響分析ではDSPソナグラフにより嚥下音の最大振幅値と持続時間を測定し、当科で開発した音響分析システムを用いて定帯域分析により嚥下音、呼気音の各帯域の平均レベルを計測した。 分析対象音を音産生時の透視画像所見によって群分けしたところ、嚥下音62音のうち誤嚥時産生音は29音であり(以下WA群)、咽頭内流入時産生音は18音(以下WP群)、そしてSafetyと判定された嚥下時に産生された音は15音(以下Safety群)であった。また、呼気音80音ではWA群は36音、WP群は19音、Safety群は25音であった。 嚥下音の持続時間はSafety群と比較し、その他の群ではいずれも顕著に長く、嚥下障害を判定するための診断基準の臨界値を1.0秒と設定したところ、Safety群とWA群ではSensitivity(以下SE)は93.8%、Specificity(以下SP)100%,Percent agreement(以下PA)は95.8%であった。Safety群とWP群ではSE、SP、PAはいずれも100%であった。 呼気音の音響特性ではSafety群と比較しその他の群では、どの帯域のレベルも大きく、0から250Hzの帯域のレベルについて臨界値を22.8dBと設定したところ、Safety群とWA群ではSEは91.7%、SPは100%、PAは95.1%であり、Safety群とWP群ではSE78.9%、SP100%、PA90.9%であった。以上の結果、嚥下音と呼気音の音響特性は嚥下障害のスクリーニングに十分利用できると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takahashi K.: "Acoustic characteristics of swallowing sounds" Minure 2nd Workshop on Cervical Avscultation of Feeding. 40-44 (1996)
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[Publications] Takahashi K.: "Acoustic characteristics of swallowing and respratpry sounds in dysphagic swallows;comparison with sounds in normal smallows" Minure The Yeas in Cervical Avscultation. 15-27 (1995)
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[Publications] 山下夕香里: "遊離前腕皮弁による即時再建症例の咀嚼・嚥下および摂食機能の評価" 口科誌. 44(1). 55-65 (1995)
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[Publications] 守山理紗: "嚥下音・呼気音の音響特性を利用した嚥下障害の客観的評価の試み" 口科誌. 46(2)(印刷中). (1997)