1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454576
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野口 いづみ 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (60103545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 義弘 鶴見大学, 医学部, 教授 (60130952)
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Keywords | フルマゼニル / ミダゾラム / RR間隔 / 最大エレトロピー法 / 皮膚血流 / トノメトリー血圧 / 周波数解析 / Mem Calc |
Research Abstract |
ミダゾラムがRR間隔,手背皮膚血流,トノメトリー血圧変動の周波数へ及ぼす影響と,それらの影響に対するフルマゼニルの桔抗効果について,最大エントロピー法によって周波数解析を加え検討した。男子学生を対象とし各2回実験を行った。M群ではミダゾラム0.07mg/kgを投与し、MFmz群ではミダゾラム0.07mg/kg投与18分後にフルマゼニル0.3mgを投与し,ミダゾラム投与後120分後まで測定した。心電図は日本コ-リン社製患者監視装置BP508を、皮膚血流量はアドバンス社製レーザードップラ組織血流計ALF21を用いて測定し、ソニー社製データレコーダPC208にて記録した。トノメトリ血圧は日本コ-リン社製患者監視装置JENTOW7700を用いて測定し、自律神経パッケージを用いて分析した。実験後に、RR間隔はGMS社製SRR-5により1msecの精度にてサンプリングし、皮膚血流はコンピュータにてGMS社製GMVIEWでサンプリングし、A/D変換した。周波数分析は諏訪トラスト社製MemCalcシステムにより60秒区間ごとに最大エントロピー法にて行った。周波数はRR間隔は4段階(〈0.04,0.04〜0.15,0.15〜0.4,0.4〈)、皮膚血流は6段階(〈0.04,0.04〜0.1,0.1〜0.2,0.2〜0.4,0.4〜0.8,0.8〜2.2)にわけ,各周波数のMEMスペクトラムの区分積分血(パワー値)を計算した。その結果、RR間隔変動はミダゾラム投与後に0.04〜0.40Hzでパワー値が対照値に対し27.0±7.0〜49.5±13.1%(mean±SE)低下し,MFmz群ではフルマゼニル投与後の20分で128.6±149.5±39.3〜149.5±33.4%に増加し,M群との間に有意義を示した.皮膚血流は主として〈0.02Hzのパワー値が25.6±8.7〜77.4±21.3%低下し,周周波領域の低下が特に著明であった。パワー値はフルマゼニルにより増加し,〈0.1Hzでは20分でM群とMFmzの間に有意差があった。シリメトリ血圧変動も同様な傾向がみられた。ミダゾラムは主として低周波の自律神経活動を抑制し、フルマゼニルはこれらの抑制に桔抗すると考えられた。
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