1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454584
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河田 照茂 徳島大学, 歯学部, 教授 (40029971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 徳島大学, 歯学部, 助手 (80253219)
日浦 賢治 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (20228696)
住谷 光治 徳島大学, 歯学部, 講師 (30206586)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨基質 / pp60c-src / テンシン / コルタクチン / リン酸化 |
Research Abstract |
破骨細胞の分化および機能に対する、骨基質の影響について検討したところ次のような結果が得られた。5-フルオロウラシル処理マウス脾細胞からの破骨細胞形成系において、骨基質に芽球細胞維持能力は認められなかったが、分化促進効果を認められた。またその効果は、1α,25-(OH)_2D_3あるいは間質細胞の共存により増幅された。さらに、骨基質のEDTA抽出群中にもこのような破骨細胞形成促進効果がみられたため、現在この物質について単離精製中である。さらに、骨吸収中の破骨細胞には波状縁がみられ、その形成にはシ-リングゾーンにおける骨基質タンパクの認識、およびシグナル伝達(特にpp60c-srcのチロシンリン酸化)にともなう細胞骨格の変化が必要であると考えられている。そこで我々は、骨基質あるいは抽出物の破骨細胞におけるシグナル伝達系にもたらす効果を検討する測定系の開発を試みた。まず、破骨細胞におけるテンシンとコルタクチンの発現、局在、およびチロシンリン酸化について調べた。テンシンとコルタクチンは、新しく発見された細胞膜裏打ちタンパク質で、細胞-基質間接着部に存在し、pp60c-srcの基質であり、アクチンの縮重合に関係している。テンシンおよびコルタクチンは、破骨細胞のシ-リングゾーンに認められたが、前破骨細胞中には認められなかった。すでに知られているポドゾーム形成タンパク質であるビンキュリンとの関係について調べたところ、テンシンはビンキュリンと同じ部位に、コルタクチンはその中に観察された。次に、骨基質添加による両タンパク質のリン酸化について検討した。骨基質の添加により、両タンパク質のチロシンリン酸化が促進されており、骨基質中に破骨細胞の細胞骨格に変化をもたらすシグナル伝達系を活性化する物質が含まれていることが示唆された。
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