1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454625
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅野 勝已 筑波大学, 体育科学系, 教授 (30015911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 武男 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (80091817)
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Keywords | 低圧低酸素環境 / 有気的作業能 / 動脈血酸素飽和度(SaO_2) / 組織酸素飽和度(StO_2) / SaO_2-StO_2較差 |
Research Abstract |
一流サッカー選手5人(15〜16歳)および大学男子陸上長距離選手9人(20〜21歳)について、常圧下および低圧シミュレーターによる2,000mおよび3,000m相当高度におけるペダリングおよびトレッドミル走の最大運動を行わせ、有気的作業能および筋内酸素動態について検討した。 筋内酸素動態は左脚大腿部外側広筋表面に組織SO2・Hb量モニター(PSA-IIIN)のセンサーを装着し、LEDによる3波長、2受光方式を用いて組織SO2(StO2)、総Hb量(tHb)、酸化Hb(oxy Hb)および脱酸素化Hb(deoxy Hb)、さらにear-oxymeter法により耳朶のSaO2を測定し、SaO2-StO2較差を求め、これにtHbを乗じて組織酸素摂取量(VtO2)を求めた。 1)一流サッカー選手の常圧下と3,000mにおける生理応答: StO2は、常圧下は安静値平均70%が最大運動時に65%まで低減するが、3,000mでは70%から60%へ著しい減少を示した。SaO2-StO2較差は、常圧下の安静値平均25%から最大運動時の32%へ漸増するが、3,000mでは安静値の20%は運動時もほぼ一定で増加せず、低圧下の組織酸素利用の抑制が示唆された。VtO2は低圧下で漸増傾向にあるが、常圧下より低値を示した。個人別の応答特性では、低圧下運動時のSaO2低下が抑制され、逆にStO2低下が亢進し、SaO2-StO2較差が増加し、VtO2の増加度の大きいことが低圧低酸素耐性の高いことを反映しているものと考えられた。 2)大学男子長距離選手の常圧下と2,000mおよび3,000mにおける生理応答: VO2maxは常圧下の68.6ml/kg/minに対し、2,000mで67.3ml/kg/min、3,000mで55.0ml/kg/minと順次低減し、3,000mで有意に減少した。SaO2は高度上昇と共に有意な減少を示した。SaO2-StO2は常圧下と2,000mはほぼ同値を示したが、3,000mでは低下傾向が認められた。高所トレーニングが低圧下運動時のStO2低下を亢進させ、SaO2-StO2較差の増加をもたらす可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)