1994 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ実験系による放射線・化学物質複合被曝の遺伝影響研究
Project/Area Number |
06454635
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋 昭絋 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (60011590)
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Keywords | メダカ / 生殖細胞突然変異 / 放射線 / 化学物質 / 複合被曝 / 遺伝影響 |
Research Abstract |
本研究では、1995年2月8日までに872、961個の胚、遺伝子数にして2、299、892個を調べた。メダカ生殖細胞変異検出系が、放射線と化学物質の複合被曝の遺伝影響を研究するのに、極めて適していることがわかった。 1.対照群では195、554個の胚、遺伝子座数にして501、917個を調べた。発生途中での胚死は10、901個であったので、自然優性致死率は5.6%となり、マウスでの結果と同じであった。また自然総突然変異率、自然生存突然変異率はそれぞれ3.8x10^<-5>および4.2x10^<-6>となった。マウスでは前者に相当する遺伝指標がないが、後者として7.5x10^<-6>が報告されており、マウスとメダカはほぼcomparableな生殖細胞突然変異実験系であると判断される。 2.平成6年度は、主としてENUに関する実験を行った。その結果、低濃度(0.1mM)と高濃度(1mM)では、誘発される3つの遺伝指標優性致死突然変異率、総突然変異率、生存突然変異率)の関係が著しく異なることが明らかになった。すなわち、低濃度では優性致死突然変異率が誘発される割合が高く、従って生存突然変異率が低くなった。このことは、ガンマー線や速中性子線といった放射線では見られなかった現象である。本研究の結果は、環境変異原の遺伝影響のアセスメントにとって新しい問題を提起するとともに、メダカ生殖細胞突然変異実験系の有効性をさらに実証することになった。 3.放射線と化学物質の服御所宇を性格に調べることの重要性がますます明確になった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Shima&A.Shimada: "The Japanese Medaka,Oryzias latipes,as a new model organism for studying environmental germ-cell mutagenesis" Environmental Health Persctives. 102. 33-35 (1994)
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[Publications] T.Funayama,H.Mitani,Y.Ishigaki,T.Matsunaga,O.Nikaido&A.Shima: "Photorepair and excision repair removal of UV-induced pyrimidine dimers and(6-4)photoproducts in the tail fin of the Medaka" Journal of Radiation Research. 35. 139-146 (1994)
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[Publications] A.Arai,H.Mitani,K.Naruse&A.Shima: "Relatioship between the induction of proteins in the HSP70 family and thermosensitivity in two species of Oryzias(Pisces)" Comparative Biochemistry and Physiology. 109B. 647-654 (1994)
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[Publications] Y.Kubota,A.Shimada&A.Shima: "DNA alterations detected in the progeny of paternally irradiated Japanese medaka fish(Oryzias Iatipes)" Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.92(印刷中). (1995)