1994 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素によるDNA修復酵素の誘導と遺伝子制御に関する研究
Project/Area Number |
06454638
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米井 脩治 京都大学, 理学部, 助教授 (60093340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 秋梅 京都大学, 理学部, 助手 (00260604)
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Keywords | soi遺伝子 / DNA修復 / 活性酵素 / mutM遺伝子 / soxRSレギュロン / スーパーオキサイド |
Research Abstract |
スーパーオキサイドで誘導された遺伝子産物の中にはDNA修復酵素が含まれていると言われる。soi-10遺伝子のクローニングは、すでに申請者らが開発した方法、すなわち、soi-lacZを含むλDNAを特殊なλファージを用いて調整し、そのDNA中のsoi(5′側が存在)と相補的なヌクレオチド配列をもつプラスミドを遺伝子バンクから探し、そのプラスミド中のsoiをサブクローニングする方法を用いた。スーパーオキサイド誘導性の大腸菌soi-10遺伝子は897ヌクレオチドからなるオープンリーディングフレームを含んでおり、約32KDaのタンパク質をコードしていることが分かった。そのヌクレオチド配列あるいはそれから予想されるアミノ酸配列とホモロジーのある遺伝子あるいはタンパク質をデータベースで検索したが見つからなかった。すなわち,まったく未知の遺伝子であった。soi-10遺伝子のプロモーター領域にはsoxRSレギュロンに共通したSox-boxが存在することが明らかになった。soi-7はスーパーオキサイド増産剤であるメナジオンだけでなく、紫外線にも高い感受性を示した。この遺伝子のマッピングされた位置には、これまでDNA修復遺伝子として同定されたものはない。さらに、大腸菌のmutM遺伝子は8oxoG-DNAグリコシレースの遺伝子であるが、最近、葛西らによってこの酵素はスーパーオキサイドで特異的に誘導を受けることが示唆されていた。しかし、本研究では、この遺伝子発現のスーパーオキサイド依存性は追試できなかった。mutM遺伝子の発現は増殖がstationary phaseに入る時に誘導され、それはrpoS(katF)に依存することを発見した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] YONEI,S.,Q.M.ZHANGandT.TAKEMOTO: "Isolation and characterization of Escherichia coli strains containingnew genefusions inducible by superoxidestress" Frontiers of Reactive Oxygen Species in Biology and Medicine Elesevier,Amsterdam. 277-278 (1994)
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[Publications] ZHANG,Q.M.,T.TAKEMOTOandS.YONEI: "Molecularcloningand characterization of new members of the soxRS regulon in Escherichia coli" Frontiers of Reactive Oxygen Species in Biology and Medicine Elesevier,Amsterdam. 281-282 (1994)
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[Publications] TAKEMOTO,T.,Q.M.ZHANGandS.YONEI: "Isolation and characterization of new sot genesinducible by superoxideradicals in Escherichta coli K12" Frontiers of Reactive Oxygen Species in Biology and Medicine Elesevier,Amsterdam. 279-280 (1994)
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[Publications] ZHANG,Q.M.,T.TAKEMOTOandS.YONEI: "The sensitivity of three sot mutants of Escherichia coli to oxidizing mutagens" Environ.Mutagen Res.Comm.16. 407-412 (1995)
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[Publications] 張秋梅、竹本忠司、米井脩治: "酸素ストレス応答の発現と遺伝子制御" 放射線学生物研究. 29. 261-274 (1994)
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[Publications] 米井脩治、張秋梅: "抗酸化ストレス機構研究の現状" 最新医学. 49. 2260-2266 (1994)
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[Publications] 米井脩治、張秋梅、竹本忠司: "細胞工学別冊「活性酸素実験プロトコール」(谷口直之編)" 秀潤社、東京, 336 (1994)
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[Publications] 米井脩治、張秋梅: "活性酸素と医食同源-分子論的背景と医食の接点を求めて(井上正康編)" 共立出版、東京(印刷中), (1994)