1995 Fiscal Year Annual Research Report
1価陽イオンポンプのエネルギー変換と活性発現調節の分子機構
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06454648
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷口 和弥 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028204)
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Keywords | P型ポンプ / エネルギー変換 / ナトリウムポンプ / H+ポンプ / 構造変化 / タンパクキナーゼ / フォスファターゼ / チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
内因性tyrosine kinaseでリン酸化されたH^+,K^+-ATPase標品をTPCK-Trypsinで限定分解し、リン酸化部位を含むペプチド断片をゲル濾過及び逆相HPLCで分離精製したところ、Insulinより低分子量の2種類の放射性ピークが得られた。各ピークに相当する画分をアミノ酸シークエンサーで分析した結果、得られた配列はα鎖のN末端部に相当し、Tyr^<10>に加え、Tyr^7もリン酸化部位であることが新たに判明した。また、得られたN末端部のペプチドはいずれもMet1が欠損しており、成熟したH^+,K^+-ATPaseの鎖にはMet^1が存在しない可能性が示唆された。さらに、リン酸化の方法により最終的に得られた2種類のピークの量比の変動を観察した結果、内在性のtyrosine kinaseによってTyr^<10>、Tyr^7の順にリン酸化されることが示された。 リン酸化されたα鎖を酸化水分解するとTyr(P)以外にSer(P)も存在することが示された。このリン酸化が何によって生じるかを確かめるため、Ca^<2+>,PKC及びPKAを加えてSer(P)の出現の有無を確かめた結果Ser(P)はPKCとPKAでそれぞれ時間に依存して生じることが明らかになった。Ser(P)の形成部位を確かめるためにリン酸化H^+,K^+-ATPaseをTPCK trypsinで処理したところ、SDSゲル電気泳動上、α鎖の移動が検出できないにも関わらずSer(P)の放射能は速やかに消失した。得られた可溶性分画から3種類の放射能性ペプチドを精製した。ピークIとピークIIは既に得ていたTyr^7とTyr^<10>およびTyr^<10>がそれぞれリン酸化されたもので3番目のペプチドはSer^<27>がリン酸化されたものであった。以上の結果との他はH^+,K^+-ATPaseのN末端ドメインが多重リン酸化を受ける部位であることを明白に示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Togawa: "Rerersible Phosphorylation of boty Tyr^7 and Tyr^<10> in the α-chain of pig stomach H^+,K^+-ATPase by a membrane-fourd kinase and phosphatase" Journal of Biological Chemistry. 26. 15475-15478 (1995)
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[Publications] J.P.Froehlich: "Kinetics of the Phosphoenzyme interconversion reaction in BIPM-labeled pig kiney Na,K-ATPase" Biophysical Journal. 70. 327 (1996)
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[Publications] 谷口和彌: "新タンパク質応用工学" フジ・テクノシステム, 908頁 (1996)