1995 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム増殖剤応答性エンハンサーによる転写調節機構の解析
Project/Area Number |
06454658
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
大隅 隆 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50111787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 利朗 姫路工業大学, 理学部, 助手 (30236864)
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Keywords | ペルオキシソーム / アシル-CoAオキシダーゼ / 転写調節 / ペルオキシソーム増殖剤 / PPAR / RXR / エンハンサー / 核内レセプター |
Research Abstract |
1.ペルオキシソーム増殖剤によるペルオキシソームβ酸化系遺伝子の誘導機構を調べるため、この系の初発酵素であるアシル-CoAオキシダーゼの遺伝子のエンハンサーと、この調節に関わる核内レセプターPPARとの相互作用を、レポーター遺伝子を用いたトランスフェクション実験と蛋白質/DNA結合実験によって調べた。従来の解析により、このエンハンサー内のダイレクトリピートDR-1に、PPARと別の核内レセプターRXRとのヘテロダイマーが結合して転写を活性化することが知られていた。今回、DR-1のみでエンハンサー機能に十分かどうかを、その周辺部分への変異導入実験によって調べたところ、DR-1の直後の塩基配列がPPAR/RXRの結合にとってきわめて重要であることがわかった。ゲルシフト法とPCR法を組み合わせることにより、ランダムな塩基配列から結合性の高い配列を選択したところ、DR-1に続く4塩基にはA・G・A or T・Tというコンセンサス配列が見いだされ、特に3塩基目のA/Tが必須であることが明らかになった。このことは、PPARの作用には従来提唱されていたDR-1のみならず、その下流側の配列もきわめて重要であることを示している。 2.異なる数種類の培養動物細胞を用いたトランスフェクション実験により、上に記したDR-1下流の塩基配列の役割は、細胞によって異なることが示唆された。すなわち、PPARを発現せず、内在性のオキシダーゼ遺伝子の誘導が起こらないHeLaやCV-1では、この配列は転写促進作用そのものに重要であった。これに対し、内在性のオキシダーゼ遺伝子の誘導が観察されるラット肝癌由来細胞H4IIEC3では、この部分の配列はエンハンサー活性には必須ではなく、むしろ誘導剤非存在時に転写を抑制することによって、誘導のON/OFFを確実にする役割があることが示唆された。予備実験の結果、この細胞、さらにはラット肝臓にはPPARと相互作用することにより、その作用を修飾する蛋白質因子が存在すると考えられたので、その因子を同定するべく、現在、検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsukamoto Toshiro: "Peroxisome assembly factor-2,a putative ATPase cloned by functional complementation on a peroxisome-deficient mammalian cell mutant" Nature Genetics. 11. 395-401 (1995)
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[Publications] Imanaka Tsuneo: "Insertion of the 70-kDa peroxisomal membrane protein into peroxisomal membranes in vivo and vitro" The Journal of Biological Chemistry. 271(印刷中). (1996)
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[Publications] Osumi Takashi: "Analysis of peroxisome proliferator-responsive enhancer of the rat acyl-CoA oxidase gene" Annals of the New York Academy of Science. (印刷中). (1996)