1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454664
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 理学部, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 名古屋大学, 理学部, 助手 (50252226)
野口 俊之 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90172775)
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Keywords | モジュール / 分子進化 / タンパク質工学 / 立体構造 / エキソンシャッフリング |
Research Abstract |
モジュールはタンパク質のコンパクトな構造単位である。モジュールは遺伝子のイントロンと密接な相関を持つ事実から、モジュールはかってエキソンにコードされていたこと、さらにモジュールを組み合わせてタンパク質が進化したことが推定されている。本研究の目的はモジュールを分類し、機能の異なるタンパク質間に共有されるモジュール構造を明らかにすることである。本年度は2年間の計画の初年度であるが、以下の結果を得ることができた。 (1)モジュールの分類法の確立:モジュールの立体構造はモジュール内部の相作用によって決まることを明らかにした。この事実から、モジュールの組み合わせが変わっても、各モジュールの立体構造はほとんど変化しないと考えられる。従って、モジュールの分類は立体構造に基づいて行うのが合理的である。 (2)モジュールの分類:立体構造がデータバンクに登録されているタンパク質から非相同な77個のタンパク質についてモジュールを同定した。得られた950個のモジュールを、その立体構造の比較から66種のグループに分けることができた。 (3)同種類のモジュールが複数のタンパク質に共通に使われていることがわかった。しかも、複数個のモジュールがセットになって、異なるタンパク質に使われている例が2926組中888組も観測された。 (4)一つのタンパク質に同種類のモジュールが複数回使用されているケースが、77タンパク質中29タンパク質で見出された。 以上の結果はタンパク質がモジュールのシャッフリングにより創成・進化した痕跡である、と結論された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Nakashima: "Structure of the hurman CCGI gene:relationship between the exons/introns and functional domain/modules of the protein" Gene. 141. 193-200 (1994)
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[Publications] 野口,俊之: "タンパク質のモジュール構造:生物進化の物理" 日本物理学会誌. 49. 344-350 (1994)
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[Publications] 野口,俊之: "立体構造から見た分類学" 蛋白質核酸酵素. 39. 028-1035 (1994)
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[Publications] 深海-小林,薫: "RNA結合ドメインをもつ蛋白質の分子進化" 蛋白質核酸酵素. 39. 2177-2188 (1994)
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[Publications] 郷,通子: "立体構造から見た蛋白質の進化" 蛋白質核酸酵素増刊エボルーション. 39. 2448-2456 (1994)