1994 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分解能NMRによる膜蛋白質の3次元構造とダイナミックスの解析
Project/Area Number |
06454666
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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Keywords | バクテリオロドプシン / レチナ-ル / バクテリオオプシン / 固体高分解能NMR / 3次元構造 / ダイナミックス / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
[3-^<13>C]Ala標識バクテリオロドプシン(bR)をこのアミノ酸を含む人工培地による培養から調製し、交差分極(CP)、高出力デカップリング(DD)の二種類の異なるNMR手法によってそのNMRスペクトルパターンがどのように変化するかを調べた。前者は分子の揺らぎが大きいとその信号が欠落し、実際プロテアーゼ処理によるC末端の有無にもかかわらずスペクトル変化が認められないことから、当初からCPではこの領域の信号が欠落していたことがわかった。一方、DDにおいてはC末端の有無によりスペクトルが大きく変化し、プロテアーゼ処理による差スペクトルから、この領域の信号の帰属、さらにはコンホメーションに関する知見を得ることができた。また、ヒドロキシアミンを加え光処理によりシッフ塩基結合の切断を行い、^<13>C標識バクテリオオプシン(bOP)を得た。bRとのスペクトル変化を詳細に比べることにより、I型およびII型αヘリックス領域にレチナ-ル脱離にともなう膜貫通ヘリックスの構造変化が認められた。さらに、ループ構造においてレチナ-ル脱離により揺らぎの増大が観測されることがわかった。この他、温度変化、光サイクルによってbRのアポ蛋白質の構造変化大きく変化することが観測でき、関与するそれぞれのNMRピークの位置特異的な帰属とともに、これらの分子の三次元構造を知る上での基本的な情報をNMRにより得ることができるようになった。
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