1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しい受容体転写因子AhR/Arntの分子生物学的及び細胞生物学的研究
Project/Area Number |
06454667
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依馬 正次 日本学術振興会, 特別研究員
菊池 康夫 東北大学, 理学部, 助手 (10004467)
十川 和博 東北大学, 理学部, 助教授 (80175421)
|
Keywords | P4501A1 / Ahリセプター / Arnt / ヘテロダイマー / ホモダイマー / ダイオキシン / 親和性 / 転写活性化 |
Research Abstract |
Ah receptor(AhR)とArnt(Ah receptor nuclear translocator)はヘテロダイマーを形成してXRE配列(TNGCGTG)を認識して結合することが明らかにされたが、Arntそれ自身がダイマーを形成することがわかった。ArntのDNA結合ドメインと考えられる塩基性アミノ酸に富む部分のアミノ酸配列がMyoDなどのDNA結合ドメインのそれとよく似ていることからEbox配列(CANNGT)に結合することが推定された。実際にCACGTGのオリゴマーはArntダイマーに結合することが示された。またこのE-box配列をCAT遺伝子の上流に結合したレポーター遺伝子をArntの発現プラスミドと一緒にCOS細胞にトランスフェクトするとCATの発現がみられることからin vivoでも働くことが明らかとなった。またArntの欠損したHepa-1の変異細胞にC4細胞があるが、このために3メチルコラントレンによるP4501A1の誘導がみられない。この細胞よりmRNAを分離してRT-PCR法によってその変異の解析を行った結果PASドメイン内のGlyのAspへの変異による事がわかった。この変異がArntのどのような機能に影響を与えるのか今後の検討が必要である。またマウスの系統にダイオキシンなどの薬物に対してP450の誘導性の感受性の低い系統が知られている。遺伝的解析によってこれはAhRのリガンドに対する親和性が低下しているためであることがわかっていた。我々は低い系統のマウスDBA/2のcDNAクローンを行い、その変異は375番目のAlaがValに変化し、更に終点コドンの変異によりアミノ酸が805から848に伸びていることによることがわかった。両者の変異によりDBA/2AhRの親和性はC57BLのAhRに比較して1桁低下する。特に375番目のAlaは重要でこれをAspに変化させるとリガンドに対する結合性は全く失われた。ヒトはダイオキシンに対する感受性が低いことが知られているがこのAhRはcDNAクローニングによる解析の結果DBA/2AhRタイプであることが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] A.Kobayashi,et al.: "Analysis of functional domains of a GC box-binding protein,BTEB." J.Biochem.117. 91-95 (1995)
-
[Publications] N.Watanabe,et al.: "Regulatory mechanisms of cAMP-dependent and cell-specitic expression of human steroidogenic cytochrome P450scc(CYP11A1)gene." Eur.J.Biochem.222. 825-834 (1994)
-
[Publications] M.Ema,et al.: "Human arylhydrocarbon receptor.functional expression and chromosomal assignment to7p21." J.Biochem.116. 845-851 (1994)
-
[Publications] M.Ema,et al.: "Dioxin-binding activities of polymorphic forms of mouse and human Ah receptors." J.Biol.Chem.269. 27337-27343 (1994)
-
[Publications] H.Imataka,et al.: "Cell-specific translational control of transcription factor BTEB expression." J.Biol.Chem.269. 20668-20673 (1994)
-
[Publications] K.Sogawa,et al.: "Possible function of Ah receptor nuclear translocator(Arnt)homodimer in transcriptional" Proc.Natl.Acad.Sci.(in print.).