1995 Fiscal Year Annual Research Report
原核細胞の環境応答遺伝子発現を制御するセンサーによる情報受容と伝達の分子機構
Project/Area Number |
06454670
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 教授 (10174038)
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Keywords | 情報伝達 / 遺伝子発現制御 / 環境応答 / センサー / レキュレター |
Research Abstract |
本研究において我々は、バクテリアにおける高次な情報伝達機構を考える上で重要と思われる新しい事実を明らかにした。大腸菌の代表的な環境センサーであるArcBやBarAが、既に知られている情報伝達領域に加えて、今まで全く知られていなかった第二の情報伝達(トランスミッター)領域をC末端側にもってることを発見した。この新規な情報伝達領域には、自己リン酸化部位として働くヒスチジン残基が存在しており、レシーバー領域にリン酸基を転移する能力も有していた。さらに重要なことは、二つのトランスミッター領域に挟まれたレシーバー領域の役割でり、トランスミッター機能を協調的に自己制御するスイッチと考えている。このようなArcBの構造的特徴が明らかになり、ArcBが多機能センサーとして働く可能性が示唆された。すなわち、ArcBの二つのトランスミッターと一つのレシーバーに加え、ArcBと協調して働くレキュレター及びセンサー間での複雑なリン酸転移反応の存在が浮かび上がってきた。我々は、ArcBが二つの環境シグナルを同時に処理できる多機能センサー(dual input-output sensor)と考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kondo,H.: "Crystallization and X-ray studies of DNA-binding damain of OmpR protein : a positive negulator involved in activation of osmoregalatory gens in E-coli" J.Mol.Biol. 235. 780-782 (1994)
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[Publications] Ueguchi,C.: "An analague of the DnaJ molecular chaperone in E-coli" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 1054-1058 (1994)
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[Publications] Tokishita,S: "Transmembrane signal transduction by the E.coli Osmotic sensor,EnoZ" Mol.Hicrobiol.13. 435-444 (1994)
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[Publications] Ishige,K.: "Anovel device of bacterial signal transducers" EMBO J.13. 5195-5202 (1994)
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[Publications] Yamashino,T.: "Quantitative control of the staionary phase specific sigma factor,δ^5,in E-coli" EMBO J.14. 594-602 (1994)
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[Publications] Ohmiya,R.: "Osmoregnlation of fisston yeast : cloning of two distinct genes encodingGPD,one of which is responsible for osmotderance for gratt" Mol.Microbiol.18(in press). (1995)
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[Publications] 水野猛: "図説分子病態学" 中外医学社, 553 (1995)
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[Publications] 水野猛: "微生物機能の多様性" 学会出版センター, 526 (1995)