1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454673
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (90022730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 均 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60201349)
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Keywords | 転写 / 転写制御因子 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ショウジョウバエの形態形成に関わるfushi tarazu遺伝子のエンハンサーに塩基配列特異的に結合する因子FTZ-F1は、MBF1,MBF2という2つのメディエーターを介して基本的転写因子と複合体を形成し、fushi tarazu遺伝子の転写を活性化する。本研究の目的は、メディエーターのcDNAをクローニングしてその構造と機能を調べることにより、転写制御因子のシグナルがメディエーターを介して基本転写因子に伝わる機構を解明することにある。平成7年度は、前年度にクローニングしたMBF2のcDNAを大腸菌で強制発現して得たrecombinant MBF2を用い、MBF2がTFIIAのβサブユニットと結合すること、MBF2による転写活性化にはTFIIAが必要なことを明らかにした。また、カイコ絹糸腺から精製したnative MBF2と大腸菌で発現させたrecombinant MBF2の比較から、native MBF2はNグリコシド結合を含む糖タンパク質であることを見出した。一方、MBF1のcDNAの塩基配列を解析したところ、この因子は酵母からヒトに至るまで真核生物に広く保存されていることが判明した。cDNAを大腸菌で強制発現して得たrecombinant MBF1を用いてMBF1が転写因子FTZ-F1とTATAボックス結合因子TBPに直接結合すること、MBF2とヘテロダイマーを形成することが確認された。さらに、MBF1はFTZ-F1のDNA結合領域内にあるFTZ-F1ボックスのC末端側半分と相互作用し、FTZ-F1よる転写活性化には、FTZ-F1とDNA及び、FTZ-F1とMBF1の結合が共に必須であることを明らかにした。以上の結果から、FTZ-F1とMBF1がFTZ-F1結合配列をもつプロモーターにpositive cofactor MBF2をリクルートすることにより、FTZ-F1結合配列に依存した転写活性化が起きるというモデルを提唱した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ohta et al.: "Cloning of a cDNA for DNA supercoiling factor reveals a distinctive Ca^<2+>-binding protein" Journal of Biological Chemistry22GD01:270. 15571-15575 (1995)
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[Publications] F.Q.Li et al.: "Sequences of two cDNAs encoding silkworm homologues of Drosophila melanogater squid gene" Gene. 154. 295-296 (1995)
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[Publications] N.Fuse et al.: "Determination of wing cell fate by escargot and snail genes in Drosophila" Development. (印刷中). (1996)
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[Publications] A.Suzuki et al.eds.: "Molecular mechanisms of insect metaphorphosis and diapause" Industrial Publishing & Consulting,inc., 325 (1995)