1995 Fiscal Year Annual Research Report
動物個体を用いたサイクリン依存性蛋白リン酸化酵素の解析
Project/Area Number |
06454676
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松七五三 仁 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50251442)
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Keywords | 細胞周期 / トランスジェニックマウス / 肝再生 / サイクリンD / Cdk4 / 抗BrdU抗体 |
Research Abstract |
1 Cdk4トランスジェニックマウスの観察 サザンブロット法で同定されたCdk4トランスジェニックマウス14系統のうち、多数(約20コピー以上)のトランスジーンを有する数系統を手始めに、すべての系統についてCdk4 mRNAの発現を検討した。Cdk4 cDNAは蛋白質合成伸長因子プロモーターの下流に置かれてあり、すべての臓器での発現が期待されるので、肝臓から全RNAを抽出し、ノザンブロット法にて解析した。内因性のCdk4 mRNAが肝臓では検出され、約5コピー以下の群でのみ有意な(数倍以上)Cdk4 mRNAの増加が観察された。一方多コピー群では、mRNA量が内因性量と変わらずトランスジーンのコピー数と発現量との間に比例関係はみられなかった。人的貧困さから全ての系統を繁殖維持できず、多コピー群に集中して解析を進めていたので、現在、低コピーの高発現系統を繁殖させ、観察を継続していく予定である。しかし、これまでに高発現による腫瘍の発生等、マクロレベルでの異常はみられていない。 2 再生肝におけるサイクリンD依存性蛋白リン酸化酵素活性の制御 8〜10週令のラットに部分肝切除術を施した後腹腔内にBrdUを投与し、経時的に肝臓の凍結標本を作成した。凍結標本を抗BrdU抗体にて染色して、標識期間内にDNA合成を行った細胞を同定することにより、肝再生時の細胞周期同調性を検討した。対照として、恒常的に細胞分裂のみられる小腸腺か細胞群を同時に観察した。術後24時間で約50〜80%の細胞が陽性となった。しかし、術手技に熟練を要するためか、ラット個体間でのばらつきが大きく、再現性の高い結果を得るまでに至っていない。
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[Publications] 宮竹正一郎: "Induction of G1 arrest by down-regulation of cyclin D3 in T cell hybridomas" J.Exp.Med.182. 401-408 (1995)
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[Publications] 鈴木健之: "HTLV-1 Tax protein interacts with agclin-dependent kinase inhibitor p16^<INK4A> and counteracts its inhibitory activity to CDK4" EMBO J.(発表予定).