1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454685
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 和義 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70222130)
松本 緑 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00211574)
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Keywords | アロ認識 / ホヤ / 自家不和合性 / 接触崩壊 / 血球 / 精子結合 / キメラ胚 / フェノールオキシダーゼ |
Research Abstract |
ホヤにおける同種異個体認識の分子機構を解明することを目指して、配偶子に見られる自家不和合性と血球に見られる接触崩壊を取り上げ、以下の成果を得た。 1)接触崩壊に伴いフェノールオキシダーゼが血球より放出され、著しい酸素消費を齎すことを明らかにするとともに、放出されたフェノールオキシダーゼ活性の比色定量に基づく接触崩壊の簡便な定量法を確立した。 2)マボヤ血球を分画し、接触崩壊においてフェノールオキシダーゼを放出するのは、液胞細胞であることを明らかにするとともに、他の血球細胞のいずれもが液胞細胞によって認識されるアロ分子を表現していることを明かにした。 3)マボヤの血球と卵との間でも自他認識が起こることを明らかにするとともに、この反応において卵側は主に濾胞細胞に依存していることを明かにした。 4)マボヤ卵黄膜からジメチルスルフォキシドによって選択的に溶出される70kDa糖タンパク質を単離し、その部分ペプチド配列を55残基分決定するとともに、この糖タンパク質が精子が認識すると考えられている非末端L-フコースを持ち、しかも卵黄膜上の精子結合部域である網目構造に局在していることを明かにした。 5)マボヤ卵黄膜糖鎖のうち、酸性糖鎖が精子受容体として特に重要であることを明らかにする一方で、マボヤ精子α-L-フコシダーゼが確かにエクトエンザイムとして存在することを明らかにした。 7)カタユウレイボヤおよびマボヤにおいて、二つの胚から得た半胚を貼り合わせてキメラ胚を多数作出したが、成体を得るには至っていない。
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[Publications] F. J. Longo: "Ultrastructural Localization of Acrosome Reaction-Inducing Substance(ARIS) on Sperm of the Starfish, Asterias amurensis" Mol. Rep. Dev. in press. (1994)
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[Publications] N. Akita: "Hemocytes Release Phenoloxidase upon Contact Reaction, an Allogeneic Interaction, in the Ascidian Halocynthia roretzi" Cell Struc. Func.20. 81-87 (1995)
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[Publications] K. Chiba: "A Periodic Network of G Protein βγ Subunit Coexisting with Cytokeratin Filament in Starfish Oocytes" Dev. Biol. in press.
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[Publications] M. Hoshi: "Glycosidases, Proteases and Ascidian Fertilization" Seminars Dev. Biol.5. 201-208 (1994)
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[Publications] M. Hoshi: "Egg-Jelly Signal Molecules for Triggering the Acrosome Reaction in Starfish Spermatozoa" Internat. J. Dev. Biol.38. 167-174 (1994)