1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経系発生過程における前駆細胞特異的マーカーの単離と解析
Project/Area Number |
06454691
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
薄井 宏 新潟大学, 脳研究所, 助手 (20192510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 聰 新潟大学, 脳研究所, 助手 (90202663)
熊西 敏郎 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40018601)
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Keywords | brain development / differential screening / gene expression |
Research Abstract |
我々は、胎生16日のラット脳からpoly(A)RNAを抽出してcDNA libraryを作製し、この中から胎生期の脳に比べて成熟期の脳での発現が著しく減少するmRNAに対するcDNAクローンを選択した。modified differential screening法(total cDNA probeをcDNA library DNAから調製する方法)によるスクリーニングと、引き続いて行ったNorthem blot解析により、胎生期の脳に選択的に発現するmRNAのcDNAクローンを全部で22種類単離することができた。塩基配列解析の結果、それらの中には9種の既知クローン(β tubulin M β5,αtubulin M α 1,thymosin β10,stathmin,βtubulin M β2,α-internexin,ferritin Lg subunit,neuronatin,amphoterin)と、13種の新規クローンが含まれていることが判明した。in situ hybridization法での解析では、これらのmRNAの発現は各クローンごとに様々のパターンを呈しながら脳発達に伴って減少していた。これらの中に、発達過程の小脳の外顆粒層やsubventricular zoneに選択性の強い発現を示すクローンが認められ、脳神経系の発生・分化過程の解析に有用な新しい分子マーカーとして利用できる可能が示された。 我々はさらに、少量の組織から発現量に差があるmRNAのcDNAクローンを単離するための方法についても検討を加えた。その結果、Northem blot解析法の代わりとしてcDNA library DNA-Southern blot解析法が多くのクローンについて有用であることを見いだした。modified differential screening法と併せて使用することにより、cDNA libraryを一度調製すればそれ以後組織からのRNAを必要とせずに解析ができることになる。これらの手法は、今後さらに脳の発達時期や部位を限って分化マーカーの解析を行う際に有用であると言える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 薄井 宏: "胎生期ラット脳に選択的に発現する遺伝子群の単離と解析" Neuropathology. 15(supple). 94 (1995)
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[Publications] Ikeda,K.: "Functional coupling of the σ -and the κ-opioid receptors with the G-protein-activated K+ channel." Biochem. Biophys. Res. Commun.208(1). 302-308 (1995)
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[Publications] Usui,H.: "Isolation and of clones of rat striatum-specific mRNAs by directional tag PCR subtraction." J.Neurosci.14(8). 4915-4926 (1994)
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[Publications] Falk,J.D.: "Identification and characterization of transcribed sequences on human chromosome 9q32-34" J. Mol. Neurosci.5(3). 165-179 (1994)
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[Publications] 薄井 宏: "新しいcDNAサブトラクション法(Directional tag PCR subtraction法)を用いた“線状体特異的"cDNAクローンの単離" Neuropathology. 14(supple). 204- (1994)
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[Publications] 熊西敏郎: "廣川タンパク質化学 第9巻 脳神経タンパク質、接着タンパク質" グリア線維性酸性タンパク質(glial fibrillary acidic protein; GFAP), 5 (1995)