1994 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲・非侵襲法による霊長類(サル・ヒト)の情動・記憶の大脳辺縁系機構
Project/Area Number |
06454706
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 照子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80242486)
田村 了以 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60227296)
西条 寿夫 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00189284)
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Keywords | 大脳辺縁系 / 記憶 / 情動 / 痴呆 / ニューロン活動 / 双極子追跡法 / MRI |
Research Abstract |
1)侵襲法(神経生理学的研究): i)サル海馬体および海馬傍回の場所関連ニューロンの特性を詳しく解析した。サル海馬体および海馬傍回より記録したニューロンのうち33%(79/238)が場所関連ニューロンであった。さらに,サルの向きを種々に変え,サルの居場所は同じであるが,見ている景色は異なる居場所移動課題遂行中,および能動的(サル自身のレバ-押しによる)および受動的居場所移動課題遂行中のサル海馬体ニューロンの場所応答性を比較・解析した。その結果,サルの向きを変えても場所応答性は変化しないが,検者が受動的にサルを移動させると場所応答性が減弱することが明らかになった。ii)場所依存性および場所非依存性Go/Nogo課題に対するサル海馬体ニューロンの応答性を比較・解析した。この結果,課題中に何らかの応答を示した海馬体ニューロンのうち33%(29/88)が場所依存性Go/Nogo課題に選択的に応答することが明らかになった。 2)非侵襲法: i)脳内双極子追跡法では,サルの体性感覚誘発電位を解析し,双極子(電流発生源)が,視床→3野→1,2野→5野に順次移動していくこと,およびP18(潜時18msecの陽性電位)の電流発生源が5野であることを明らかにした。さらに,5野におけるマルチ・ユニット活動の記録実験および5野の破壊実験を行い,P18の電流発生源が5野であることを電気生理学的に確認した。ii)覚醒ラットの頭部をMRIで撮影するための特殊脳定位固定装置を開発した。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] Eifuku,S.: "Neuronal activity in the primate formation during a conditional association task based on the subject's location." J.Neurosci.(in press).
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[Publications] Nishijo,H.: "Localization of dipole by boundary element method in three dimensional reconstructed monkey brain." Brain Res.Bull.33. 225-230 (1994)
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[Publications] Hayashi,N.: "Dipole tracing of monkey somatosensory evoked potentials." Brain Res.Bull.33. 231-235 (1994)
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[Publications] 林 央周: "中心溝近傍脳腫瘍の術前局在診断における双極子追跡法の有用性." CI研究. 16. 21-26 (1994)
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[Publications] 小野 武年: "情動の脳内メカニズム." 薬局. 45. 61-67 (1994)
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[Publications] 小野武年: "老化と記録." 老年期痴呆. 8. 181-191 (1994)
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[Publications] 小野武年: "海馬体の認知・記憶関連ニューロン." 神経研究の進歩. 38. 126-139 (1994)
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[Publications] 西条寿夫: "海馬体破壊による実験的記憶障害." 神経研究の進歩. 38. 112-125 (1994)
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[Publications] 小野武年: "海馬と記憶" 老年期痴呆研究会誌. 6. 1-5 (1994)
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[Publications] Ono,T.: "Olfaction and Taste XI" Kurihara,K.,Suzuki,N.and Ogawa,H.(Ed.),Springer-Verlarg, 372-375 (1994)
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[Publications] Nishijo,H.: "Olfaction and Taste XI" Kurihara,K.,Suzuki,N.and Ogawa,H.(Ed.),Springer-Verlarg, 419-420 (1994)
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[Publications] Trii,K.: "Olfaction and Taste XI" Kurihara,K.,Suzuki,N.and Ogawa,H.(Ed.),Springer-Verlarg, 516-518 (1994)
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[Publications] Kondoh,T.: "Olfaction and Taste XI" Kurihara,K.,Suzuki,N.and Ogawa,H.(Ed.),Springer-Verlarg, 534-535 (1994)
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[Publications] Tabuchi,E.: "Olfaction and Taste XI" Kurihara,K.,Suzuki,N.and Ogawa,H.(Ed.),Springer-Verlarg, 536 (1994)
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[Publications] 小野武年: "記憶における海馬体の役割,「脳とニューラルネット」" 甘利俊一,酒田英夫編,朝倉書店, 143-159 (1994)
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[Publications] 西条寿夫: "学習と記憶.「新医科学大系」第10巻脳と行動" 岡 博他編,中山書店, 189-216 (1994)
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[Publications] 小野武年: "生物学的意味の価値評価と認知.岩波講座「認知科学」6巻情動" 伊藤正男,安西祐一郎,川人光男,他編,岩波書店, 71-10 (1994)
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[Publications] 小野武年: "情動行動の表出,岩波講座「認知科学」6巻情動" 伊藤正男,安西祐一郎,川人光男,他編,岩波書店, 109-142 (1994)