1994 Fiscal Year Annual Research Report
前肢運動調節における皮質脊髄路の発達と機能分化の制御機構
Project/Area Number |
06454711
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
工藤 典雄 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60014239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 峻司 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80110493)
山本 三幸 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80143147)
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Keywords | 新生ラット / 除脳ネコ / 大脳皮質運動野 / 錐体路 / 歩行運動 / 皮質脊髄路 / 前肢運動ニューロン / 発達 |
Research Abstract |
本年度は、対照実験として、成ラット、成ネコにおける皮質脊髄路の前肢運動調節を検討した。その中で、特に、歩行運動調節に興味ある発見があった。非動化除脳ネコの中脳歩行野を連続電流刺激すると前肢筋神経に歩行様神経活動(Fictive Locomotion)が誘発される。この時の皮質脊髄路刺激の効果を運動ニューロンの細胞内記録から解析した。肘屈筋運動ニューロンは、対側延髄錐体(皮質脊髄路)の電気刺激に2シナプス性興奮で応じた。静止時には、この反応は弱く、それを記録するには、2-3発の連発刺激による時間加重を必要とした。中脳歩行野に連続電流刺激(30-50Hz、10-20秒)を与えると、Fictive Locomotionが誘発される以前から、2シナプス性興奮は徐々に促通を受け、Fictive Locomotionの誘発と同時にそれはリズミックな修飾を受けた。最も促通を受けたのはFictive Locomotionの屈筋活動相で、その時には2シナプス性興奮は単発刺激でも誘発される程であった。伸筋運動ニューロンは、静止時には、皮質脊髄路刺激に多シナプス性の興奮で応じたが、Fictive Locomotion時にはそれは消失した。そのかわり、2シナプス性抑制が屈筋活動相で見られた。円回内筋運動ニューロンには、皮質脊髄路刺激は屈筋相で2シナプス性抑制、伸筋相で2シナプス性興奮を引き起こした。以上の結果は、成ネコ皮質脊髄路の最終介在ニューロンが前肢歩行運動の脊髄機構と極めて密接な関係があることを示唆している。現在、成ラットではどうか検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 尾崎 繁: "Development of spinal roplex pathways from muscle atterents to motorewxns in chick emltyos dcvoid of dascending inputs" J.of Physiology(London). 480.1. 137-146 (1994)
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[Publications] 阿部 まゆみ: "Locomotion of cats when the elbow extensor and the plcxcy muscles are cross-innervated" "Vestibular and neural front"Eds.Taguchi et al.477-480 (1994)