1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454723
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
満淵 邦彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (50192349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50089827)
藤正 巌 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
鎮西 恒雄 東京大学, 医学部, 助手 (20197643)
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Keywords | カテコラミンセンサー / カーボンファイバ電極 / 実時間計測 / 電気化学的検出法 / マイクロダイアライシス / 人工臓器制御 / 医用高分子材料 / タンパク質吸着 |
Research Abstract |
本研究は、血中カテコラミン濃度の実時間計測を可能とするセンシングシステムを開発し、これを用いて人工心臓等の制御を行う事を目的としたものである。我々は、実時間計測の必要性から、検出方法として、作用電極にcarbon fiber 電極を用いた電気化学的方法(アンペロメトリック法)を用いているが、我々の現在までのpreliminary study では、1)リン酸バッファ溶液中では、演算時間も含めて2-3秒の遅れ時間でカテコラミン濃度を測定することが可能で、この情報によって人工心臓の駆動条件を変化させる事も可能、2)現在の検出限界は、約10^<-10>mo1/1程度、3)血液(血漿・血清)中で使用した場合には、電極表面に血中タンパク質などの物質が短時間に吸着し、電極の感度が不可逆的に低下してしまう、という結果が得られている。この結果を基に、本年度は、1)血液中での安定した計測を可能とすること、および、2)検出限界濃度を生体の運動時の制御に必要な約10^<-8>mo1/1程度まで上げること、を主目的として研究を行った。血中での測定にはマイクロダイアライシス法を併用し、血液と電極を半透膜(現在はセルロース膜)で分離し、血中のカテコラミンを電極側を潅流させているバッファ溶液(透析液)中に移行させてこの濃度を測定するというシステムを作成し、これにより、血漿中のカテコラミン濃度の変化を安定して測定することが出来たが、この方法では、現在のところ検出感度は約10-20%に低下する。一方、検出器の感度に関しては、回路の改良などによりS/N比の改善を行い、従来の約2倍の検出感度を得るところまで到達している。次年度は電極表面に対する酸素の固定化、および、センサのマイクロ化などによってカテコラミンに対する特異性・感度の改善を図ると共に、電極表面にタンパク質吸着抑制性高分子化合物をコーティングすることにより、電極の血中での安定性の改善も図っていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 満淵邦彦: "人口心臓制御用カテコラミンセンサ開発におけるマイクロダイアライシス法の応用" 第32回日本人工臓器学会大会抄録集. S128- (1994)
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[Publications] 井街 宏: "植込型人工心臓の現況" 人工臓器. Suppl.81-88 (1994)
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[Publications] 藤正 巌: "マイクロマシンの医学への応用" 人工臓器. Suppl.89-94 (1994)
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[Publications] Kunihiko Mabuchi: "Use of a Catecholamine Sensor in the Control of an Artificial Heart System" INTERNATIONAL JOURNAL OF ARTIFICIAL ORGANS. (印刷中). (1995)
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[Publications] 満淵邦彦: "液性系情報、神経系情報のマイクロセンサ開発とその人工臓器制御への応用" マイクロマシンま基礎技術の調査研究. (印刷中). (1995)