1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06455017
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 忠彦 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (30238480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 利夫 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (70230977)
有澤 誠 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (00092833)
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Keywords | 眼球運動 / 注視点 / 随従性眼球運動 / 跳躍性眼球運動 / アイカメラ |
Research Abstract |
本研究の第1の目的は注視点が決定されるメカニズムを明らかにし、その結果にしたがって注視点を定義すること、第2の目的はこの注視点の定義を眼球運動計測装置に組み込むこと、さらに第3の目的はものを見るときの視線の動き方(眼球運動)に注目して観察者の主観的な印象などを客観的・定量的に表現する手法を提案することにある。第1、2の目的は第3の目的遂行の前提でもある。 本年度は第1の目的を遂行するため、まず、注視点を決定する最も基礎的な要因として考えられる運動視標追随中の随従性眼球運動および跳躍性眼球運動の発生条件の詳細について実験的検討を行った。この実験には主として設備備品として購入した眼球運動モニター装置を用いた。その結果、 (1)随従運動成分の発生は運動視標の速度によって異なり、低速度では過予測、中速度では追随、高速度では遅延追随となる傾向を示す。 (2)随従運動成分の発生に見られる運動視標追随機能は個人差が極めて大きい。 (2)注視点を《視対象が網膜中心窩を含む一定の範囲で捉えられた状態》と定義すると、その範囲は視対象の時空間的性質と被験者の追随能力によって変化する。 などの知見を得た。 このような基礎実験の結果に基づいて推定した注視点の定義を導入した眼球運動測定装置(設備部品として購入したト-クアイ)を用いて、静止および運動成分を有するさまざまな視環境を対象に視線の動きを記録し、注視点の出現状況を検討した。その結果、 (1)視対象の物理的性質(空間周波数など)に対応した注視点の定義が必要である。 (2)被験者固有の眼球運動特性に対応した注視点の定義が必要かつ有効である。 との示唆を得た。
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