1994 Fiscal Year Annual Research Report
不斉脱炭酸反応に関する有機化学的及び生物化学的研究
Project/Area Number |
06455018
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 博道 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30152151)
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Keywords | 酵素反応 / 不斉脱炭酸反応 / コンフォメーション / 活性部位特異的阻害剤 / チオールエステル結合 / システイン |
Research Abstract |
我々が発見した二置換マロン酸を不斉脱炭酸する酵素は補因子を全く必要としない非常にユニークな酵素である。この酵素がどの様にして基質を活性化するかを調べる目的で先ずインダンジカルボン酸を基質として反応を行った。この化合物は速度定数は小さいものの酵素とのKmは他の基質より一桁小さく、酵素と非常に親和性が大きいことが明らかとなった。これは反応の際に基質のコンフォメーションが厳しく規制されていることを示す。反応に寄与する最も可能性の高いコンフォメーションについては理論計算の結果も加味して決定することができた。現在、酵素と基質の芳香核同士の相互作用をより詳細に検討しているところである。次に、活性部位特異的競争阻害剤を検索し、それに関与するアミノ酸残基等に関する知見を得ることを試みた。その結果α-ブロムフェニル酢酸が優れた効果を有することが明らかとなった。この阻害剤を用いて、酵素との複合体をつくり、質量分析、CDスペクトル、プロテアーゼ分解等の結果を総合して次の様なことが明らかとなった。1)酵素はまず第1段階としては基質とチオールエステル結合を生成し、他方のカルボキシル基を活性化しているのであろう。2)チオールエステル生成に関与しているアミノ酸残基はアミノ末端から171番目のシステインである可能性が高い。
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[Publications] 宮本 憲二: "Effect of Conformation of the Substrate on Enzymatic Decarboxykalation of α-Arylmalonic Acid" Biooraganic & Medical Chemistry. 2. 469-475 (1994)
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[Publications] 川崎 平康: "Studies on the Active Site of a Novel Decarboxylase(AMDase)" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. ?- (1995)