1994 Fiscal Year Annual Research Report
4′-チア核酸類の特異的構造とキ-ナゼによる分子認識に関する研究
Project/Area Number |
06455020
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
上西 潤一 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (50167285)
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Keywords | 4′-チオ核酸 / L-型核酸 / 4-チオフラノース / 抗HIV活性 / 抗HSV活性 / 立体選択的合成 |
Research Abstract |
計画申請書にある通り4'-チア核酸類の合成を行ない、それらの抗ウイルス活性について調べた。即ち、不斉導入時における不斉試薬を変える以外、既に我々が確立したD-型の4'-チオピリミジン核酸の合成径路を踏襲して、L-型の4'-チオピリミジン核酸の合成を行なうことが出来た。合成されたL-型のチオ核酸は極めて毒性が低く、毒性という観点からは十分満足ゆく誘導体であった。 しかしながら同時に、相当するD-型に比較して抗ウイルス活性も著しく低下した。抗HIV活性についてはチミジン体に弱い活性が観察されただけであった。抗HIV活性についてはEC50値がシチジン体で2.2μg/ml、チミジン体で43μg/mlであった。一方D-型の核酸合成の一環として2'位メチル体および4'位メチル体について、それぞれ、ウラシル、チミン、シチジンを塩基にもつ4'-チオピリミジン核酸を合成した。その結果、α-2'位メチル置換体ではいずれも抗ウイルス活性は見いだせなかった。β-2'位メチル置換体ではシチジン塩基の場合に抗HIV活性が5μg/mlレベルで発現した。 これに対して、4'位メチル体ではシチジン体に0.0055μg/mlの抗HIV活性が、0.1μg/mlの抗HSV活性が観察された。またチミジン体では0.7μg/mlの抗HIV活性が、またシチジン体とはほぼ同じレベルの抗HSV活性が認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Uenishi,M.Mofoyama,Y,Nishiyama,Y.Hirota,Y.Kubo: "Jntramolecular Ring Opening of a2,3-Epoxy Alcohol by a xanthate Anionic Center;stereospeclfic Preparation of 2-Mercapto-1,3-diol Units" Hetero at on Chem. 5. 51-60 (1994)
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[Publications] J.Uenishi,M.Motoyama,K.Takahashi: "Asgmmetric Synthesis of D- and L-2-Deoxy-4-thioriboses" Tehrahodron;Asym.5. 101-110 (1994)
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[Publications] J.Uenishi,K.Takahashi,M.Motoyam,H.AKashi,T.Sasaki: "Syntheses and Antitumor Activities of D- and L-2′-Deoxy-4′-Thio Pyridnldine Nucleosides" Nucleosides &Nucleotides. 13. 1347-1361 (1994)
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[Publications] J.Uenishi,M.Motoyama,Y.Kubo: "Mothanolysis of 1,3-Oxathiolane-2-thione;A stereospeafic Preparation of Episukido" Heteroatom Chem.5. (1994)