1994 Fiscal Year Annual Research Report
都市の緑に対する市民意識構造の日英比較に関する研究
Project/Area Number |
06455021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
山森 芳郎 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (10133117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 祥之亮 農村生活総合研究センター, 主任研究員
岡田 悟 共立女子短期大学, 生活科学科, 講師 (30233331)
児玉 好信 共立女子短期大学, 生活科学科, 助教授 (00108200)
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Keywords | 都市 / 緑 / 意識構造 / 地域比較 / 環境問題 / アンケート調査 |
Research Abstract |
1 研究目的-今日都市生活者にとって緑といえば、単に色彩をあらわすだけではなく、環境の質にかかわる象徴的な意味をもっている。そこでこの研究は、緑に対して市民がもっている意識を様ざまな角度から問い、その多元的な構造を明らかにし、環境の改善・再生に寄与し得る実践的な方法を提起しようとするものである。初年度はその意識構造を都市、農村といった地域性にもとづいて対比しながら、それぞれの特質を明らかにする。 2 今年度の調査経過と成果-調査を開始するにあたって、調査票を作成する枠組みを把握するため、日英両国で「都市と緑」というキーワードの提示し、そのイメージを自由に記述してもらった。その一方で「都市の緑」に限定せず、一般的な地域イメージを日本側大都市地域(横浜市青葉区)、農村部(長野県山形村)の住民にたずね、当初予定した分析方法を用いて意識構造の抽出を試みた。 とくに日英両国で実施した「都市と緑」イメージ調査の結果、緑にたいするイメージは、(1)色彩としての緑、文学における緑、人名などの緑、(2)公園、街路樹など具体的に都市空間を構成している部材としての緑、(3)都市を囲む農村、農業、自然を含めた環境として認識される緑、(4)環境問題にたいする認識から生活様式や社会システムを再検討する契機としての緑・・・と重層していることがわかった。とくに日英を対比してみると、日本では(1)、(2)にたいする認識が強いのに比べ、イギリスでは(3)、(4)と、環境問題としての認識が強くなっている。 研究の第2年度は、初年度の分析結果にもとづく調査票によってアンケート調査を実施し、都市の緑に関する日英両国の市民意識構造を統計的に解明する。
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