1995 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波サブミリ波干渉計における実時間位相補償法 及び高分解能イメージングの基礎研究
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06554002
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
石黒 正人 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (40023684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
近田 義広 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 教授 (30126122)
森田 耕一郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20167688)
川口 則幸 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90214618)
川辺 良平 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (10195141)
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Keywords | ミリ波サブミリ波干渉計 / 位相補償法 / 高分解能イメージング / 差動式ラジオメータ / 電波シ-イングモニタ / 4素子法(ペア・アンテナ法) / 大気中電波伝播のモデル化 |
Research Abstract |
常温のハ-モニックミキサ-を用いた高精度1mm波帯ラジオメータの1台分の開発製作を行い、前年に開発製作したもう1台分と組み合わせ、差動式超高精度1mm波帯ラジオメータを構成し性能の評価を行った。基礎実験の結果では、数分の時間スケールでは、非常に安定したシステムであることが実証でき、位相揺らぎの推定が精度良く測定することができる事がわかった。野辺山宇宙電波観測所の電波シ-イングモニタとの同時観測を開始し、現在詳細なデータの解析を行っている。また、昨年に続き、1台のラジオメータと電波シ-イングモニタによる観測を南米チリで行った。この結果、大気放射の時間ゆらぎと電波シ-イングの間の非常に良い相関を得ることができ、観測的にその2つの量の変換係数を求めることが出来た。求めた変換係数は、ほぼ理論値に一致した。4素子法(ペア・アンテナ法)については、ミリ波干渉計を用いた4素子法実験を19GHz帯で継続して行うとともに、新たにミリ波帯での基礎実験を行った。その実験より、86GHz,147GHz等のミリ波帯でも4素子法による位相補償が有効であること、しかしミリ波帯での位相保証の精度はcm波帯に比べると悪い事(較正用天体までの離角を大きく取れない事)などが明らかになった。一方で、大気中電波伝播のモデル化(波面ゆがみの構造、時間発展)を進めた。波面ゆがみについては、2次元モデルを新たに開発した。また、波面ゆがみの空間的構造関数と、時間的な構造関数を観測的に求め、2次元モデル等と比較検討した。その結果、2つの構造関数が相似的であること、また求めた構造関数をもとに観測データを良く再現できる2次元モデルを構築するのに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kotaro Kono: "Preliminary result of Site Testing in Northern Chile with a Portable 220 GHz Radiometer" NRO(Nobeyama Radio Observatory)Reports. No.42. 1-12 (1995)
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[Publications] Tetsuo Sasao: "Compensation of Atmospheric Phase Fluctuations with the Paired Antenna Methods" (in prparation).
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[Publications] Yoshiharu Asaki: "Experiments of the Paired Antenna Methods with Nobeyama Millimeter Array at 19 GHz" (in prparation).