1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06554009
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
生天目 博文 広島大学, 理学部, 助教授 (10218050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 仁 広島大学, 理学部, 助手 (90243550)
谷口 雅樹 広島大学, 理学部, 教授 (10126120)
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Keywords | 高分解能 / 逆光電子分光 / 光検出器 / プリズム / 高効率 / 静電半球型エネルギー分析器 |
Research Abstract |
逆光電子分光のエネルギー分解能(約0.5eV)はこれに対応する光電子分光の分解能(〜0.1eV)に比べ劣っており改善が望まれていた。本研究では、このエネルギー分解能の向上と検出効率の向上を目指した。逆光電子分光のエネルギー分解能は、電子線のエネルギー幅と光検出器のエネルギー分解能で決定される。通常用いられる電子源からの電子のエネルギー幅は約0.25eVで検出器は0.45eVである。そのため光検出器の高エネルギー分解能化に力点をおいた開発を行った。 光検出器には回析格子型とバンドパス型の2通りが普通であるが、本研究では高い検出効率と分解能を両立させるためにMgF2プリズムを用いた新しい分光システムを考案し、その設計・製作を行った。計算機におよるシミュレーションの結果、本システムの検出効率は、使用されている光学素子(反射鏡、プリズム)での反射率、透過率および集光立体角で決まり、従来のバンドパス型検出器とほぼ同等の効率が期待できる。分解能はプリズムのエネルギー分散で決まり、100meV以下の分解能が実現できることが示された。検出器のスリットを小さくすることでさらに分解能を向上できる設計になっている。現在、このシミュレーションに基づく装置の製作を行っているところである。 次の段階としては電子線のエネルギー幅を小さくする必要があるが、これについては現在、静電半球型エネルギー分析器を通してエネルギー幅を100meV以下にできないか検討している最中である。両者を組み合わせることで全分解能が100meV程度の逆光電子分光装置が構成されるであろう。今後は製作された各コンポーネントが所定の性能を達成できるように調整し、早期に物性研究に本装置を活用させたいと考えている。
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Research Products
(1 results)