1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06554028
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小菅 皓二 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00025371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 忠二 (株)マックサイエンス, 技術研究所, 主任研究員
吉村 一良 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191640)
中山 則昭 山口大学, 工学部, 助教授 (00164369)
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Keywords | 粉末X線 / 示差熱分析 / SSD計測 / 無機化学反応 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度一応装置の組み立てを完了したので、その性能を検討するため、種々の物質についてTG-DTA-Xrayの測定を行った。次にその例を示す。 (1)CaC_2O_4・H_2Oの熱分解:この物質は空気中で温度を上げることによりCaC_2O_4→CaCO_3→CaOと変化し、重量変化、X線回折パターンともに良好な結果を得た。 (2)La(OH)_3の熱分解:La(OH)_3は、La_2O_3を室温に放置しておくだけで水を吸って合成される。このLa(OH)_3を温度上昇すると途中にLaOOHという化合物が生成し、ついでLa_2O_3となることがわかった。La系の超伝導合成の際、普通はあまり注意を払わずLa_2O_3を使用するが、水を吸っていることに注意する必要のあることが明らかとなった。 (3)La_2O_3とCuOの反応:最終的にはLa_2CuO_4となるが、その途中の酸素の出入りが明確になった。 (4)YBa_2Cu_3O_7の合成:Y_2O_3,BaCO_3,CuOを出発原料とし、空気中、N_2雰囲気中でどのようにYBa_2Cu_3O_<7-δ>が合成されるかを詳細に検討し、N_2雰囲気中の方が良質で反応速度が速いことがわかった。 これらの実験を通して、反応速度の速いものでなければ、改良の余地はあるにせよ十分に所期の目的を達成できた。また、この装置では、連続X線(白色X線)を用いているため、回折線以外に蛍光X線も観測され、試料の元素分析(定性分析)も可能であることがわかった。
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