1994 Fiscal Year Annual Research Report
粘土・アルブミン複合体を用いた光学分割玉カラム充てん剤の開発
Project/Area Number |
06554030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 晧彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70001865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 裕 資生堂, 基礎科学研究所, 主任研究員
谷口 昌宏 北海道大学, 理学部, 助手 (30250418)
高橋 正行 北海道大学, 理学部, 助手 (50241295)
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Keywords | 粘土鉱物 / アルブミン / HPLC / 光学分割 |
Research Abstract |
平成6年度においては、アルブミンが粘土に吸着するときの相互作用の実体について明らかにし、それをもとに光学分割カラムの研究を行った。実際の実験手順は以下の通りである。 (1)アルブミンの粘土への吸着を、水中に分散したコロイド状粘土を用いて調べた。特に、温度、pHおよび粘土粒子の大きさなどの影響に着目した。その結果、用いたアルブミン(牛血清アルブミン)はpH7.5近辺でほぼ粘土の2倍量の重量にまで吸着することがわかった。これより低いpHになると吸着量は急速に減少する。これはアルブミンが正に帯電するからであると考えられる。その結果より、粘土とアルブミンとの結合はおもに静電気力によるものと思われる。温度、粘土粒子の大きさの影響はあまり見られなかった。 (2)このような吸着がどうして起こるのかを明らかにするために、粘土・アルブミン複合体の構造を調べるためにX線回折測定を行った。その結果、アルブミン分子は粘土の層空間内に単分子層を形成して吸着していることが解った。 (3)コロイド状粘土とアルブミンの共存下で、種々の光学活性有機分子を加え、アルブミンが粘土に吸着するときにこれら有機分子が立体選択的に吸着されるののではないか検討した。その結果、ベンゾインおよびその誘導体はほとんど吸着されなかった。より水溶液への溶解度の低いビナフトールではわづかに吸着しR体がS体よりも強く吸着することがわかった。 (4)以上の結果をもとに粘土で被覆されたシリカゲル粒子にアルブミンを吸着させそれを充填剤にしたHPLCを試みている。
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[Publications] 山岸晧彦,堀田裕司: "粘土薄膜の電極修飾剤への応用" 粘土科学. 33. 233-245 (1994)
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[Publications] 山岸晧彦: "粘土面のキラル識別" 日本化学会誌. 10. 853-866 (1994)
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[Publications] 姚建,嶋津克明,山岸晧彦: "Mass Transport ph a Clay-Modified Electrode as Studies by QCM" Chemistry Letters. 161-161 (1995)
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[Publications] 犬飼,堀田,谷口,渡村,山岸: "Formation of a Clay Monolage at a Air-Water Interface" Journal of Chemical Society,Chem.Comm.959-959 (1994)