1994 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料中の軽元素の蛍光X線分析法の開発-アルツハイマー病研究への応用
Project/Area Number |
06554034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
中井 泉 東京理科大学, 理学部, 助教授 (90155648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 潔 日立生産技術研究所, 第2部24研, 研究員
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Keywords | 全反射蛍光X線分析 / 臨床試料 / アルミニウム / アルツハイマー / 生体試料 / 蛍光X線分析 |
Research Abstract |
生体におけるアルミニウムを中心とする微量元素の動態を明らかにすることを目的として、軽元素の定量が可能な全反射蛍光X線分析システムを試作し、臨床試料の分析に応用し、臨床分析法として全反射蛍光X線分析法を実用化することをざして以下の研究を行った。 (1)軽元素用全反射蛍光X線測定装置を設計製作: 粉末X線回折用2軸ゴニオメータを試料ステージとし、検出器に極低エネルギーゲルマニウム検出器を用いて、全反射蛍光X線分析システムを試作した。分光結晶にLiFを用いて励起X線の単色化を行い、マルチチャンネルアナライザによりスペクトルを収集し、測定データはパソコンに転送しデータ処理を行えるようにした。 (2)定量のための基礎的条件の確立: 試作した測定システムの評価のため、制ガン剤であるシスプラチンを投与したラットの臓器を実試料として、白金(シスプラチン)の定量を試みた。内標準にはストロンチウムを用いた。マウスの血清を湿式灰化した溶液に白金の標準溶液を加え、検量線を作成した。また、標準添加法による定量も試みた。本法によって得られた定量結果を原子吸光法の結果と比較したところ、本法で十分精度良く、ngレベルの白金を定量できることがわかった。 本年度は研究代表者の所属変更に伴い、現有設備が大きくかわり、さらにキャンベラ社製半導体検出器もGe結晶の不良のため納入されたのは2月初めとなって、色々な点で遅れが生じ、アルミニウムの定量までには至らなかった。しかし、幸い基本システムが完成し、評価も順調に行うことができたことから、来年度は本研究の最終目標であるアルミニウムの定量が可能となる見通しである。
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