1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555008
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
酒井 明 京都大学, 工学部, 教授 (80143543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 公一 東芝研究開発センター, 基礎研究所, 技監
長谷川 幸雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80252493)
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Keywords | フォノン / 超伝導接合 |
Research Abstract |
超伝導フォノン源として,超伝導探針の制作を行った.一般に転移温度が高い金属は柔らかい金属が多く,これまでその探針化が困難であったが,今回電解溶液を用いたマイクロポリッシングにより,Nb,Pb,V,Ta,Sn,In,Reの各金属の探針化を行うことができた.難易度に差があるものの,それぞれ先端半径が0.5μm以下の探針が作製できるようになっている.またPbやInなどの特に柔らかい金属では、研磨中に発生する気泡や溶液の表面張力によっても先端が変形するため,取扱に注意が必要であることが明らかとなった. 接合の形成機構については、探針と試料を接近・接触させる慣性移動機構が液体ヘリウム温度においても動作することが確認された.ガイドチューブの駆動圧電素子にサイクロイド波形を加えることにより、液体ヘリウム温度において約90nm/(サイクル)の移動特性が得られている.この1サイクルの変位量はSTMのフィードバック制御範囲の数分の1と十分小さく,この方式によって探針または試料をSTMの動作域にまで近づけられることが分かる.また慣性移動方式によるSTMを用いて低温でのI-V測定が可能となっている.これまでに常伝導探針(Pt-Ir,W)・超伝導探針(Ta)および常伝導試料(Au)・超伝導試料(Ta・Nb)の組合せを用いたI-V測定を続けているが,Nbでは,酸化膜によると思われるクーロンブロッケイド現象が観測されている.
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Research Products
(1 results)