1995 Fiscal Year Annual Research Report
き裂閉口への超音波応答の解明と非破壊定量評価手法の構築
Project/Area Number |
06555024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂 真澄 東北大学, 工学部, 教授 (20158918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古村 一朗 (株)東芝, 重電技術研究所金属材料・強度技術開発部, 主幹
阿部 博之 東北大学, 工学部, 教授 (00005266)
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Keywords | 非破壊評価 / 閉口き裂 / 超音波探傷 / 逆問題解析 / 疲労き裂 / 簡易評価 / 底面エコー音圧 / 自動計測 |
Research Abstract |
本研究は,閉じたき裂の寸法を正確に非破壊評価し,重ねて閉じ具合の非破壊評価をも可能にする超音波探傷手法の開発を目的とした試験研究である。本年度は,以下の項目に関する研究を行った。 1.斜角探傷に基づく底面エコー音圧計測による閉口き裂評価の高感度化 本研究者らは,昨年度,垂直探傷に基づき閉じたき裂に対する超音波応答の逆問題解析により,閉口き裂長さと,き裂閉口の強さを評価する方法を提案し,有効性を検証した。本年度は昨年度の成果を発展させ,超音波を試験片に対し角度を持たせて入射する斜角探傷法を用いて閉口き裂を非破壊評価する研究を行った。結果として,超音波の入射と受信を一つの探触子で行う1探触子法による斜角探傷では,超音波の入射角度が大きくなるに伴い欠陥エコーの鋭さが増し,き裂位置検出の分解能が向上することがわかった。一方,き裂からの反射エコー音圧は超音波入射角度の増加とともに減少するが,同時に試験片底面からのエコー音圧も大きく減少するため,欠陥検出に実用的なパラメータである底面エコー音圧に対する欠陥エコー音圧の比は斜角探傷の場合の方が垂直探傷の場合より大きく,閉口き裂の実質的な検出感度が向上することを確認した。 2.斜角探傷によるエコー音圧の計測を自動化・高精度化するデータ収集法の検討 超音波探触子を試験片に対し任意の角度で固定し,試験片から一定の距離において探触子を二次元的に走査させ,そのデータを高サンプルレートデジタルオシロスコープにより計測するデータ収集システムについて検討した。その結果,昨年度開発した垂直探傷によるエコー音圧の自動計測システムに改良を施すことにより可能になることがわかり,斜角探傷に応用するための新しい機構について検討した。
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