1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555031
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大南 正瑛 立命館大学, 理工学部, 教授 (60066587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 敏博 (株)日立製作所, ストレージシステム事業部, 副参事
坂根 政男 立命館大学, 理工学部, 教授 (20111130)
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Keywords | ヤング率 / 3点曲げ試験法 / 振動リ-ド法 / 薄膜 / 電子デバイス / スパッタリングパ-マロイ薄膜 |
Research Abstract |
薄膜磁気ヘッドに用いられる,厚さ0.01μm〜5μmのパ-マロイ薄膜のヤング率を,静的測定法ならびに動的測定法の2種類の手法で実施した.静的測定法としては3点曲げ法を用いた.当手法では,厚さ200μmのガラス基板に所定の厚みのパ-マロイ薄膜をスパッタリングし,薄膜付きおよび薄膜なしの荷重一変位関係の差から,ヤング率を測定するものである.荷重精度は0.1mg,変位の測定精度は0.05μmである.動的測定法としては,振動リ-ド法を用いた.振動リ-ド法では,上述の2種類の試験片を用いて,固有振動数の差から,薄膜のヤング率を求めた.固有振動数の測定には,周波数範囲を3種類変化させ,高精度化をはかった.得られた主要な結論は以下の通りである. (1)厚さ2.5μm以上のパ-マロイ薄膜のヤング率は228MPaであった.この値はパ-マロイのバルク材のそれと一致した.また,3点曲げ法による測定結果と振動リ-ド法による結果とは比較的良好に一致した. (2)厚さ1μm以下のパ-マロイのヤング率は厚さが薄くなるほど増加する傾向が認められた.厚さ,0.3μmではヤング率は296MPaとなり,バルク材の約1.48倍のヤング率が得られた. (3)厚さ減少に伴うパ-マロイ薄膜のヤング率減少について考察するため,走査型電子顕微鏡による微視組織観察を行った.その結果,スパッタリング薄膜の厚さ方向に2種類の組織が存在することが判明した.1つは,膜厚の薄いところでは組織が一様ではなく,アモルファスライクの組織が観察された.この組織の厚さは1〜2μm程度であった.それ以上の膜厚では,扁平な柱状晶が観察された.ヤング率の増加とこれら2つの組織との対応関係は良好に一致しており,ヤング率の増加が主として組織によるものと推論された.
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