1994 Fiscal Year Annual Research Report
超電導高磁場を利用した磁気研磨法による内面のナノメータ表面の創成
Project/Area Number |
06555032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
進村 武男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30008049)
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Keywords | 超電導マグネット / 内面研磨 / ナノメータ表面創成 / 超電導マグネット / 高磁場 / 磁性流体 / 超微粒研磨材 |
Research Abstract |
本研究は,現在まで実現できなかった高磁場(3T)を超電導マグネットを用いて発生させ,この「超電導高磁場の条件下」で,「微粒研磨材混合の特殊磁性流体」を用いて,細長い原子力利用関連・ウルトラクリーンテクノロジー関連のクリーンパイプ内面をナノメータスケールの超精密表面(0.1μmRmax以下)に創成できる新しい高能率・超高精度磁気援用研磨法の開発を最終目的に設定している.まず,冷凍機冷却型超電導マグネット装置を設備し,実験室内で超電導高磁場を発生させる.次に,磁性流体にナノメータ表面の創成に必要な特殊研磨材(化学的・機械的複合研磨材)を混合した特殊磁性流体を制作する.この特殊磁性流体の磁気力低下は,磁場強度とその変化率を増大することによって高めることができ,これを実現するのが超電導高磁場発生マグネット装置とその加工ゾーンの磁極設定条件の最適化である。平成6年度に得られた研究実績は次のようである.(1)超電導マグネット装置[住友重機械工業(株)製HF3-50型,ボア径50mm]を基本構成要素とした高磁場発生装置を設計製作し,研磨実験を実施できる状態にまで研究を進めた.加工装置全体の寸法はW2500XD1000XH1800mm,重量は約300kgである。(2)円管には回転と軸方向揺動運動が重畳でき,しかも2個のパルスモータの使用によってこれらを可変速制御可能にした.(3)ナノメータ超精密表面を創成できる特殊磁性流体の一種類を製作し,研磨実験を実施し,その可能性を確認した.(4)磁性流体の微粒研磨材には♯15000の微粒ラップ剤を用いたと同等の磁気浮力(研磨力)が発生し,十分な加工力が得られることを確認できた.(5)加工原理の概略を明らかにした.今後は,(1)超電導高磁場条件と特殊磁性流体の使用による超精密内面研磨実験の実施,(2)研磨特性,研磨機構,表面性状の微視的観察等の詳細な吟味検討を計画している.
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Research Products
(1 results)