1995 Fiscal Year Annual Research Report
光線基準を用いた超高精度直進機構の開発とその形状測定および表面加工への応用
Project/Area Number |
06555037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井川 直哉 大阪大学, 工学部, 教授 (60028983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 明夫 日立造船(株), 技術・開発本部・事業開発統括部, 副参事(研究員)
打越 純一 大阪大学, 工学部, 助手 (90273581)
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
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Keywords | 直線基準 / レーザービーム / 直進機構 / 真直度 / 方向安定性 / 形状測定 |
Research Abstract |
本研究は、幾何学的な形状誤差や取り付け誤差あるいは変形などの曖昧さを一切含まない、物理的な直線基準として、方向安定化レーザービームを利用することを提案し、光線基準に沿って、1m程度の移動範囲を10nm台の精度で直進することのできる超高精度直進機構の開発およびその大型機構部品の形状測定、表面加工への応用を目的としている。今年度の主な研究成果は次の通りである。 1.直線基準となるレーザビーム光路途中での空気の流れによるビームの方向変動を防ぐために、スライド式の光路カバーを設計製作し、ビームの方向変動を10^<-8>rad台に押さえることに成功した。 2.光路上の固定されたある2点を常に通過するようにビームの振れを制御してビームの方向変動を10^<-8>rad台に安定させるビーム方向安定化装置を開発した。 3.防振台上に設置した1軸滑り案内を持つ直進移動テーブル用いて、1mの移動範囲を持つレーザービームを基準とする長ストローク直進機構を試作し、この機構が100nmの直進精度を持つことを確認した。 4.回折理論にもとづく計算機シミュレーションによって、レーザビーム断面の強度中心の軌跡を追跡する手法を開発し、共振器ミラーに角度ミスアライメントや表面形状誤差があっても、それらの時間変動がなければ、原理的に、1nmレベルの精度を持つ直進基準として使用できることを示した。
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