1995 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル機関排気中の窒素酸化物の無触媒分解法の開発
Project/Area Number |
06555063
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉原 福全 立命館大学, 理工学部, 教授 (30174999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木藤 栄寛 田熊総合研究所, 第2研究室, 室長
足立 正之 堀場製作所, 自動車計測部, 主任
西脇 一宇 立命館大学, 理工学部, 教授 (20025969)
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Keywords | 無触媒脱硝 / 窒素酸化物 / ディーゼル機関 / 排気処理 / メチルアミン |
Research Abstract |
本脱硝システムの実用化の要件を明らかにするため,単気筒4サイクル水冷直接噴射式高速ディーゼル機関の排気全量を処理対象とした実スケールでの実験を行ったところ,NOに対し3倍のモル数のメチルアミンを添加することにより70%のNO低減率を得た.流動反応管を用いた実験では,等モルのメチルアミンの添加で80%以上のNO低減率が達成されており,これに比べて低減率が悪い理由として,メチルアミンと排気の混合が不十分であることがわかった.また,このことは実験上の制約から供試機関として小型単筒機関を使用したことに起因することが明らかになった.すなわち,i)小型単筒機関では,排気の脈動や添加すべきメチルアミンの量が極端に少ないため,メチルアミンの排気中への初期の分散が均一に行えずに,その後の混合過程の障害となること,ii)共試機関が小型であるため,面積/体積比が大きく,物質と熱の拡散が同時に起こらず高温壁面から選択的に熱のみがガスに伝わり,メチルアミンが十分拡散するまでに反応が進行するためである.さらに,本脱硝システムの実用性を評価するために,反応速度と混合速度の関わりについて検討を行った結果,律速段階は炭化水素の低温酸化機構と類似の緩慢な反応であり,実用的見地から,添加・混合過程の改善によって,反応速度よりも混合速度を高くすることができ,低減率をさらに高めることが可能であることがわたった.また,メチルアミンの添加による有害排出物の測定をFTIRによって行った結果,分散成分としてその排出が懸念されるアンモニアについて全ての条件で排出がないことがわっかった.また,メチルアミンについては,添加当量が高くなると僅かであるが排出されるが,添加・混合過程の改善によって実用上問題のないレベルまで引き下げることが可能であることがわかった.
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[Publications] 吉原・西脇・船木: "メチルアミンによるディーゼル排ガスの無触媒脱硝" 日本機械学会講演論文集. 940-30. 374-376 (1994)
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[Publications] 吉原・田中: "メチルアミン添加によるディーゼル排気中の窒素酸化物の分解" 日本機械学会論文集. 61-582. 408-413 (1995)
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[Publications] 吉原・西脇・中西: "ディーゼル排気NOの無触媒分解" 日本機械学会全国大会講演論文集. 95-10. 212-213 (1995)
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[Publications] 吉原・西脇・中西: "ディーゼル排気NOの無触媒分解(続報:NO低減率の改善)" 日本機械学会関西支部定期講演会講演論文集. (発表予定). (1996)