1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
曽根 悟 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10010711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手
笠井 啓一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010923)
古関 隆章 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20211899)
水間 毅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授
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Keywords | 消費電力量 / ピーク電力 / ピークカット / 所要時間 / 待ち時間 / 乗車時間 / 混雑度 |
Research Abstract |
従来の成果を受けて、最終年度である本年度の成果を中心に、全体の報告をする。 列車群運行総合評価シミュレータの内容は、内容的には、饋電回路の電力、列車群の運行のシミュレーションとこれらを評価する部分とからなる。このうち饋電回路電力シミュレーションの部分については、他の類似のものに比べて精度が格段に高く、十分に有用でかつ汎用的なものにすることができ、既に新線計画に用いられている。列車群運行シミュレーションについても、軌道回路と信号システムを詳細に取り入れたシミュレーションに近い精度を、簡易で実用的な範囲で実現し得たと考えている。これらと旅客需要データとから詳細な乗降人員・乗車人員を求めるシミュレーションも完成し、トレインアワ-や乗客の待ち時間・乗車時間等の各種所要時間、消費電力量、ピーク電力、混雑度などの基本的な評価量は全て算出が可能になった。このような多次元の評価の他、評価計数を入力すれば、金額等の単一の総合評価量も得られ、総合評価シミュレータが完成したことになる。 シミュレータは広く使用されなければ価値が発揮できないから、汎用化とマニュアルの整備も重要である。このシミュレータはRailway Total System Simulator “RTSS"と名付けられ、マニュアルの整備を進めている。現時点では、饋電回路関係が完成しており、これだけでも使用可能な状態になっている。内容の性格と分量の関係上、学会発表には適さないから、少数部を印刷配布するほか、電子・磁気的媒体を利用した公表および利用促進を検討している。 今後の課題としては、内容的に予想よりもはるかに複雑であることが判明したために、今回組み込むことを断念した、最適停車駅決定問題をさらに検討することと、使い勝手を改善してより広く使って貰うための改善が残されている。
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[Publications] 高木 亮: "シミュレーションによるサイリスタ変電所導入効果の検討" 電気学会 交通・電気鉄道研究会資料. TER94-34. 19-28 (1994)
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[Publications] 高木 亮: "列車群の最適走行パターン問題の数値解" 平成6年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集. 809-814 (1994)
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[Publications] 高木 亮: "統合化鉄道電力システムにおける運行乱れ時の省エネルギー" 平成7年電気学会全国大会講演論文集. 1208. 5-370-5-371 (1995)
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[Publications] Ryo TAKAGI: "More Intelligent DC Railway Electrical Power Systems with Traction Power Contorl" Electrical Engineering in Japan. 114-7. 91-101 (1994)
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[Publications] Ryo TAKAGI: "Integration of Power Feeding and Train Dispatching Subsystems to Increase Railway Service Capacity" Proceedings of COMPRAIL '94(Computers in Railways-IV). 1. 121-128 (1994)
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[Publications] Satoru SONE: "High-speed, High-density Train Allocation" Proceedings of COMPRAIL '94(Computers in Railways-IV). 2. 11-18 (1994)
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[Publications] 高木 亮: "列車群制御とき電系の統合化の可能性" 日本機械学会第3回交通・物流部門大会鉄道技術連合シンポジウム論文集. 395-398 (1994)
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[Publications] 曽根 悟: "特集解説 鉄道における情報・システム関連技術 I.鉄道における情報・システム技術の課題" 電気学会論文誌C. 115-C, No. 5. 616-621 (1995)
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[Publications] 高木 亮: "直流き電システムの駅間走行時分一定化シミュレーション" 電気学会論文誌C. 115C-8. 975-983 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "解説 電気鉄道におけるAI応用技術の動向 I.電気鉄道におけるAI応用技術の現状と問題点" 電気学会論文誌D. 116D-2. 113-114 (1996)
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[Publications] 高木 亮: "電気車のインバータ駆動システムと地上設備の協調に関する研究" 総合試験所年報. 54. 67-72 (1995)
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[Publications] Pyo Takagi: "On Introduction of Substations with Thyristor Rectifiers in DC Railway Power Feeding Systems" IPEC95. 1185-1190 (1995)
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[Publications] Satoru Sone: "Proposal of a New Function of Individual Guidance to be Added to Smartcard Universal Ticket System for Public Transportation" 7th World Conference on Transport Research. 11-12 (1995)
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[Publications] Pyo Takagi: "Traction Power Control for Optimisation of DC Railway Power Feeding Systems" 2nd International Scientific Conference on Modern Supply Systems and Drives for Electric Traction. 273-278 (1995)
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[Publications] 高木 亮: "非接触ICカードによる鉄道利用システム" 電気学会 交通・電気鉄道研究会. TER95-55. 97-106 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "輸送システム適用性の定量的評価" 土木計画学研究会 No. 230. 18(2). 221-224 (1995)
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[Publications] 高木 亮: "電鉄饋電システムのシミュレーション" 平成7年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集. S2-4. S-43-S-46 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "〈フォーラム〉国際的視野でみた鉄道技術の現状と課題" 運輸と経済. 55-4. 4-31 (1995)
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[Publications] 高木 亮: "直流饋電システムのシミュレーションモデル-残された問題点-" 平成7年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集. 273. 3-245-3-248 (1995)
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[Publications] 水間 毅: "輸送システム適用性の定量的評価 -誘発需要推定の1モデル-" 鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail '95). 117. 417-420 (1995)
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[Publications] 水間 毅: "輸送システム適用性の定量的評価(第2報)" 平成7年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集. 279. 3-273-3-276 (1995)
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[Publications] 高木 亮: "直流饋電システムのシミュレーションモデルに関する一考察" 鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail '95)川崎. 5. 15-19 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "鉄道総合技術と土木・機械・電気工学" 鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail '95). 1-6 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "高速・高頻度輸送のための列車ダイヤ" 鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail '95). 114. 407-410 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "戦後50年から21世紀へ 特集 鉄道の役割 鉄道の技術革新の歩み" JRガゼット. 54-1. 22-25 (1996)
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[Publications] 曽根 悟: "スピードアップの周辺事情を考える" 鉄道ピクトリアル、新車年鑑. 601. 32-37 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "《巻頭言》21世紀に向けた鉄道システム" 東洋電機技報. 90. 1 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "電気鉄道技術はこれからどう変わるか" 富士時報. 68-2. 96(2) (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "高速鉄道の将来とリニア中央新幹線" 同志社ハリスフォーラム95「世界の最先端を行く鉄道の新技術」. 15-29 (1995)
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[Publications] 曽根 悟: "論説空間 快適通勤通学は実現できる" 東京大学新聞. 1996. 1. 1. (1996)
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[Publications] 曽根 悟: "技術論説「21世紀への鉄道電気技術」" 鉄道と電気技術. 6-7. 7-17 (1995)