1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555081
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
山部 長兵衛 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30093082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古部 敏也 岩尾磁器工業(株), 開発室, 主任
猪原 哲 佐賀大学, 理工学部, 助手 (90260728)
佐藤 三郎 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80264141)
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Keywords | 気泡内放電 / 活性酸素原子 / 紫外光予備電離 / 急峻パルス / マルクスジェネレータ |
Research Abstract |
本研究では、放電を用いた水処理の新しい技術として、水中に発生させた微小気泡内の放電により生じた活性酸素を直接反応に利用するところに特徴がある。すなわち、放電によるオゾン生成の主反応は解離反応と3体衝突反応であり、解離反応で生成される活性酸素O(^3P)は極めて酸化力が強いが、その寿命はμsオーダーと非常に短い。このため、活性酸素を含む空気を処理水に供給する従来の方法では、配管距離が長くなると、活性酸素は消滅してしまい、これを有効に利用することができない。 昨年度は、気泡にかける高圧電圧の発生に2段マルクス電源を用いてきたが、さらに急峻で高い電圧を発生するため、今年度はこの電源に変えて、誘導性パルスパワー電源回路を用いた。この方式では、最初にコンデンサーを充電しておき、ギャップスイッチを点弧しインダクタンスLsを通して銅フューズに大電流を流す。この時用いた銅フューズは直径0.1mm、長さ5.3cmの細線で、3kAの電流が流れたとき溶断した。その時、インダクタンスの両端にLs・dI/dtに相当する急峻な立ち上がりの高電圧パルス約100kVを発生させることができた。 被処理水として脱イオン水(0.01〜0.06μS/m)、気泡発生用ガスとして空気とHeを用いた。電極間に高電圧を印加すると、電極中央あたりの殆どの気泡で空気の場合では淡い青色の放電が、Heでは淡いピンク色の放電が発生した。これにより放電が気泡内部で発生したことが確認できた。なお、今回の一連の実験では、銅フューズスイッチの繰り返しが取れないため発生量が少なく、活性酸素の確認まで至っていない。 今後、電源回路を繰り返しが可能なマルクス電源に戻し、再度気泡内放電の発生を目指すほか、得られた活性酸素を沃素滴定法で評価し、活性酸素の生成を確認する予定である。
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[Publications] 佐藤三郎: "水中気泡内放電による酸素原子およびオゾンの生成" 平成6年度電気関係学会九州支部連合大会論文集No.722. 418 (1994)
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[Publications] 佐藤三郎: "水中気泡内放電による酸素原子およびオゾンの生成(II)" 第4回日本オゾン協会年次研究講演会No.16. 73 (1995)
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[Publications] S.Satoh: "Generation of Atomic Oxygen and Ozone by the Discharge In the Bubbled Water" The eleventh International Conference on Gas Discharges and Their Applications,No.240. II 316 (1995)
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[Publications] 小林篤史: "水中気泡内放電による酸素原子およびオゾンの発生(IV)" 電気学会放電研究会資料 ED-95-69. 81 (1995)
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[Publications] 小林篤史: "水中気泡内放電による酸素原子およびオゾンの生成(IV)" 佐賀大学理工学部集報. 24(1). 41 (1995)
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[Publications] 小林篤史: "水中気泡内放電による酸素原子およびオゾンの発生(V)" 平成7年度電気関係学会九州支部連合大会論文集No.131. 31 (1995)
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[Publications] 佐藤三郎: "水中気泡内放電による水処理に関する研究(III)" 第5回日本オゾン協会年次研究講演会No.16. 61 (1996)
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[Publications] 小林篤史: "水中気泡内放電による水処理の基礎研究" 平成7年度電気学会全国大会講演論文集. (1996)