1995 Fiscal Year Annual Research Report
飛行時間測定法を用いた中速イオン散乱法の開発と半導体プロセス評価への応用
Project/Area Number |
06555096
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 広島大学, 集積化システム研究センター, 教授 (80144880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜田 勇蔵 日本真空技術(株), イオン機器部, 部長
宮崎 誠一 広島大学, 工学部, 助教授 (70190759)
廣瀬 全孝 広島大学, 工学部, 教授 (10034406)
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Keywords | 中速イオン散乱 / イオン注入装置 / 飛行時間測定 / 表面損傷 / 不純物分布 / 半導体検出器 / プラズマ損傷 / スペクトルシミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、表面損傷評価、不純物分布評価が可能な中速イオン散乱(MEIS)装置を開発し、半導体プロセス評価を行うことを目的とする。 平成6年度は、半導体検出器(SSD)を用いて半導体表面のプラズマ損傷の評価を行った。また、実験スペクトルとシミュレーションスペクトルとの比較により解析を行う方法を開発した。 平成7年度は、イオン注入装置に組み込める飛行時間(TOF)測定装置を設計・開発し、その性能をシミュレーション結果と比較した。製作したTOF測定装置の飛行時間測定分解能は20ナノ秒である。これをエネルギー分解能に換算すると、シリコン基板の表面で反射するヘリウムイオンを検出する場合、入射エネルギー30、10keVの時エネルギー分解能はそれぞれ4、0.8keVとなる。SSDの10keV(入射エネルギーに無関係)と比べると、低エネルギーほど高分解能が得られ、SSDとTOFを組み合わせることにより、広いエネルギー範囲で高分解能が得られる。TOF測定を行うためには、入射イオンビームをパルス状にする必要がある。高圧チョップ電源を用いて、約20ナノ秒のパルスビームを得た。しかし、短パルス化によって入射イオン数が減少するため、散乱イオン数も減少し、測定時間が長くなるという問題がある。ビーム電流を増加させ、測定時間を短縮することが課題である。 また、これまでのMEISシミュレータは、一種類の半導体層用のものであったが、新たに2層以上の構造に対するMEISシミュレータを開発した。 購入備品は、当初はシミュレーション用のコンピュータであった。しかし実験を進めた結果、より高清浄なシリコン表面を得る必要がでてきた。このため化学洗浄液の温度制御を行うために必要なクーラーと洗浄能力を高める超音波洗浄器を購入した。これらはコンピュータより優先度が高いと判断された。コンピュータにいては計算速度が遅く不便であるが、従来のものを使用した。
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[Publications] 出口忠義: "ラマン分光法によるイオン注入Sb析出評価" 第41回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 第2分冊. 643-643 (1994)
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[Publications] 出口忠義: "イオン注入Sb析出過程のラマン散乱及び中エネルギーイオン散乱による評価" 第42回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集 第2分冊. 820-820 (1995)
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[Publications] 廣瀬全孝: "次世代ULSI製造のための表面反応プロセス(第1章分担)" サイエンスフォーラム, 21 (1994)