1996 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物のダイアゴノスティックス手法の開発に関する研究
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06555126
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
重石 光弘 熊本大学, 工学部, 助教授 (50253761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 浩 熊本大学, 工学部, 助手 (60244109)
山尾 敏孝 熊本大学, 工学部, 教授 (40109674)
大津 政康 熊本大学, 工学部, 教授 (80109016)
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Keywords | コンクリート構造物 / ダイアゴノスティックス / 鉄筋腐食 / 劣化度 / 超音波 / アコースティック・エミッション / 赤外線サーモグラフィー |
Research Abstract |
ダイアゴノスティックス手法の開発には、検査法と評価法の実用化が求められる。実在コンクリート構造物の劣化として報告されている事例としては、ひび割れ、表面剥離及び内部欠陥、鉄筋腐食、構造体強度の低下などが知られている。これらに対する検査法の現状について調査を実施し、AE法、超音波法、赤外線サーモグラフィー、レーダー法、自然電位法などの改良、開発を実施した。評価法に関連しては、耐力評価法、データベースに基づいた残存寿命評価などを検討した。それらの内の平成8年度の研究実績の概要は、以下のようにまとめられる。 1.サーモグラフィーによるコンクリート剥離部の検出能力の検討と定量的な鉄筋腐食検出法の確立 赤外線サーモグラフィーで測定される温度分布は、鉄筋腐食検査での自然電位法の電位分布と同じくスカラーポテンシャル場であることより、これらを定量的に境界要素法を用いて解析することを提案した。そして、逆解析法を開発し、自然電位分布を鉄筋上の電位へと変換することによって、腐食評価を定量的に実施できる手法を開発した。同様な逆解析がサーモグラフィーにも適用可能であることを明らかにした。 2.既存コンクリート構造物の補修工法とその評価システムの開発 コンクリート構造物の劣化による全体挙動の解明と補修・補強工法による耐荷力の評価を試み、その成果をまとめた。 既存橋梁のデータベースの作成と寿命評価のエキスパートシステムの開発 橋梁台帳に基づいたデータベースの作成を実施し、橋梁のコンクリート床版の健全度に関するエキスパートシステムの開発を試みた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大津政康・福本進也: "横波弾性波を用いたコンクリートの表層劣化評価" セメント・コンクリート論文集. 49. 552-557 (1996)
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[Publications] Y.Sakata & Ohtsu: "Crack Evaluation in Concrete Members based on Ultrasonic Spectroscpy" ACI Materials Journal. 92(6). 686-698 (1996)
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[Publications] 重石光弘・辻伸幸・大津政康: "損傷を受けた鉄筋コンクリートの低レベル動的載荷時におけるAEパラメータ解析" コンクリート工学年次論文報告集. 18(2). 65-70 (1996)
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[Publications] 重石光弘・大津政康: "2次元モデルにおけるアコースティック・エミッション波形解析" 材料. 45(9). 1055-1060 (1996)
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[Publications] A.Ishibashi,M.Ohtsu & K.Matsusuyama: "Concrete Core Testing of Harbor Structures using AE Rate Process Analysis" Proc.Ist US-Japan Sympo.on Advances in NDT. 49-54 (1996)
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[Publications] M.Shigeishi & M.Ohtsu: "AE Analysis for Damage Estimation of Reinforced Concrete" Progress in AE VIII. 205-210 (1996)