1995 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物のひび割れ検査と補修とを同時に行う技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
06555127
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Research Institution | TOHOKU GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大塚 浩司 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 正 ショーボンド建設(株), 技術研究所, 研究員
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Keywords | ひび割れ検出 / ひび割れ補修 / X線造影撮影法 / 造影剤 / 造影補修剤 |
Research Abstract |
平成7年度は、平成6年度に引き続き大型供試体によるひび割れ検出実験を行った。昨年度の実験では、厚さ20cm程度までのコンクリートに発生したひび割れをX線造影撮影法で検出が可能であることが分かったが、本年度では、さらに25cmの厚さまで増加させることにした。しかし、コンクリートの厚さのわずかな増加がひび割れ検出効果を大きく減少させることが明らかとなり、造影剤の性能の一層の向上、フイルムや増感紙の選定党の撮影技術の再検討が必要となった。そのため、本年度計画していた、実構造物での確認実験は延期し、本年度も実験室における基礎的実験を続けた。得られた成果の概要は次の通りである。 1)ひび割れ検出技術の再検討について:X線造影剤は、開発済みのものの濃度を増加させ性能を高めた。しかし、この造影剤は溶液温度をある程度高く保つ必要があり、実用にはさらに工夫が必要であることが分かった。X線フイルムについては感度を上げれば撮影時間を短縮できるが、画像の質が劣ることとなり、あまり感度を上げることはできないことが分かった。増感紙は特殊なものを使用するとかなり画質を向上させることが分かった。 2)ひび割れ深さの検出技術について:供試体にひび割れを発生させ造影剤を注入し、少し位置を変えた2点から同じひび割れ部をX線透過撮影し、2枚のフイルムからひび割れの深さを検出する技術の開発に成功した。 3)造影補修材の注入とその効果について:大型の梁型供試体を用いて、曲げひび割れを発生させ、除荷後ひび割れに造影接着剤を注入し、X線撮影したところ内部のひび割れをはっきり確認できた。また、その供試体を再載荷したところ、注入したひび割れ部からはひび割れは発生せず、他の場所から曲げひび割れが発生し、接着効果が確認できた。
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Research Products
(2 results)