1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555132
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 文孝 川田工業(株), 技術本部, 主任研究員
舘石 和雄 東京工業大学, 工学部, 講師 (80227107)
廣瀬 壮一 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (00156712)
池田 清宏 東北大学, 工学部, 教授 (50168126)
北原 道弘 東海大学, 海洋学部, 教授 (60135522)
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Keywords | 超音波探傷検査 / 高精度定量化 / ディコンボリューション処理 / 最大エントロピー法 / 時間分解能 / 可視化 / 超音波伝播挙動 |
Research Abstract |
超音波探傷検査の高精度定量化を目的として、本年度は以下のような検討を行った。 (1)ディコンボリューション処理による超音波探傷試験の時間分解能向上の試み:探触子で受信される欠陥からのエコーを定式化しそれを解くことにより欠陥までの時間距離を計算できるが、このとき雑音の影響を低減するために、探触子で送受信される超音波の周波数付近で帯域制限を行うとデータの減少ひいては時間分解能が低下するという欠点がある。そこで、このときディコンボリューション処理の過程に最大エントロピー法を導入した結果、帯域制限をにより減少したデータからでも、雑音の影響を受けにくくかつ高い時間分解能をもつことのできる方法を示した。本手法では、雑音レベルが増加したときでも反射源の位置をインパルスに近い形で知ることができることが分かった。また実験によって得た人工ノッチからの散乱波に対して処理を行い、ノッチ幅を正確に推定することができた。 (2)有限要素法を用いた超音波伝播挙動の可視化の試み:効率よく超音波探傷検査を行うためには、欠陥からの反射エコーを効果的に受信する必要があり、そのためには、入射探触子、および受信探触子を効率よく配置する必要がある。そのためには、入射された超音波が、鋼材内部をどのように伝播し、欠陥部でどのように反射して伝播するかといった、超音波伝播挙動を知る必要がある。本研究では、超音波伝播を弾性波の伝播と考え、有限要素法を用いて、その伝播挙動を明らかにした。ここではまずはじめに、表面亀裂を有する部材について、亀裂の長さ、角度、探触子から出る超音波のビーム幅、探傷位置、入射角度をパラメータとし比較を行った。またそれを時間的に連続的に表示することにより、超音波伝播挙動により明確にすることができた。
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