1994 Fiscal Year Annual Research Report
不連続体解析と地殻変動解析システム開発への応用に関する研究
Project/Area Number |
06555136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浜島 良吉 埼玉大学, 工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆次 三井建設, 原子力部, 主任研究員
古宇田 亮一 地質調査所, 国際地質部, 主任研究官
竹村 友之 三井金属鉱業, 地下利用室, 室長
金折 裕司 岐阜大学, 教養部, 助教授 (60194883)
西村 進 京都大学, 理学部, 教授 (40026802)
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Keywords | 兵庫県南部地震 / 阪神大震災 / 地殻変動 / ブロック構造 / ブロックローテーション / サンアンドレアス断層 / プレートテクトニクス / 地震 |
Research Abstract |
1985年1月17日未明に起きた兵庫県南部地震は阪神大震災と呼ばれる甚大な被害をもたらした。これにより、これまでの土木、建築構造物の耐震設計に対する根本的な見直しを迫られているが、地震予知についても新しい観点からの見直しが必要と思われる。本研究は全くタイムリ-にこうした地殻変動解析に対する新しい知見を見いだした。 地球表面がいくつものプレートにより覆われているとするプレートテクトニクスは地震の発生メカニズムを考えるうえでの重要な基本原理であるが、日本列島を考えた場合これはさらに小さなブロック構造により分割されていると考えられる。本研究ではこうしたブロック構造に基づいたモデル化を行い、新しく開発した不連続体解析によりブロック間の相対変位、ブロック間、ブロック内に発生する応力等を検証し、これにより日本列島内の地震発生メカニズムの解明を行った。本解析手法は、3次元不連続体場での熱、流体、応力の連成解析であるが、本研究では予備計算として2次現場での応力解析のみを扱い、解析結果として次の知見を得た。 列島規模で見た場合、中央構造線-花折・金剛断層-北米プレート日本海側境界はサンアンドレアス断層に類似した右横ずれ断層の動きが見られる。サンアンドレアス断層はロサンゼルス近傍で屈曲しており、こうした屈曲部において1857年にM.8.3の巨大地震が発生し、さらにサンアンドレアス断層の北西部延長線上のサンフランシスコにおいて1906年に同規模の巨大地震が発生している。このようにサンアンドレアス断層に沿っては周期的に地震が発生しているが、上記の中央構造線-北米プレート日本海側境界を一つの断層系とみると、兵庫県南部地震で活動した六甲断層系はサンアンドレアス断層の屈曲部に相当し、結果としてここには大きな力が集中している。また断層系全体をみた場合、周期的な地震発生が推察され、またサンアンドレアス沿いにみられる巨大地震の可能性も推察される。カリホルニア州にはこのサンアンドレアス断層に付随して多くの断層系が存在するが、日本列島内の断層系も上記断層系をサンアンドレアス断層に類似してみれば地震発生メカニズムも更に明瞭になると推察される。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Hamajima.R.: "Proc.of the Eigth Int.Conf.on Computer Methods and Advances in Geomechanics." Analysis for discontinuous medium considering elemental deformation.Vol.1. 821-826. (1994)
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[Publications] Hamajima.R.: "Progressive Failure Analysis of Discontinuous Media by Considering the Elemental Deformation." The Third World congress on Computational Mechanics.Vol.II. 1154-1155 (1994)
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[Publications] 中井仁彦: "不連続性岩盤における応力、水、熱の連成解析の定式化(応力解析)" 日本地熱学会. 第16巻. 401-434 (1994)
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[Publications] Kanaori.Y.: "Seismotectonics of the Median Line in Southwest Japan:implication for coupling among major fault systems." Pure and Applied Geophysics(Birkkauser). Vol.142.589-607 (1994)
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[Publications] Kanaori.Y.: "A Sequence of Destructive Earthquakes and the Coupling of Fault Systems in Central Japan." Eng.Geol.(Amsterdam). Vol.37. 167-180 (1994)
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[Publications] 高橋 学: "レプリカフイルムを用いた空隙、亀裂の可視化法" 応用地質. 35巻2号. 31-32 (1994)
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[Publications] 高橋 学: "接触面積の異なる岩石割れ目を透過する弾性波の減水特性" 資源と素材. Vol.110. 933-938 (1994)
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[Publications] Kouda.R.: "Common Data Structure for Subsurface Visualization-a Proposal of CFI(Common File Interface)Format" Proceedings of 1994 International association for Mathematical Geology.Vol.1. pp.200-204. (1994)
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[Publications] Kouda.R.: "Suwijanto H.H.Line Density and the Structure of Satelite Data in Tropical Region." Proceedings of 1994 International association for Mathematical Geology.Vol.1. pp.71-77 (1994)
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[Publications] Niitsuma,H.: "Discrimination of split shear waves by wavelet transform" Canadian Exploration Geophysics. Vol.29. 106-113 (1994)
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[Publications] Niitsuma,H.: "Analysis of acoustic emission from hydraulically induced tensile fracture of rock." Journal of Acoustic Emission. Vol.11. s1-s17. (1994)
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[Publications] 金折裕司: "断層列島-動く断層と地震のメカニズム" 近未来社, 232 (1994)