1995 Fiscal Year Annual Research Report
複合汚染物質を対象とした光化学反応による新水処理手法の開発
Project/Area Number |
06555162
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大瀧 雅寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70272367)
山本 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60143393)
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Keywords | 紫外線ランプ / 有機ハロゲン化合物 / 光触媒反応 / 二酸化チタン / 芳香族化合物 / 農薬 |
Research Abstract |
本研究では、水中溶存有害物質として有機塩素化合物や各種農薬を対象として、光化学反応による処理を研究した。 まず、光触媒のない光化学反応処理として、光源として2種の紫外線ランプ(低圧と中圧の紫外線ランプ)を用いた各種ハロゲン化合物の分解効果を確認した。低圧と中圧の紫外線ランプによる分解効果を比較することによって、各種有機物質の分解特性に関する知見が得られた。また、共存イオンによる分解速度への影響を研究した結果、対象とする有機物や使用するランプによって寄与する波長が異なるが、有機ハロゲン化合物の分解速度には、吸光度による反応容器内の平均照射率の変化が大きく関与していることがわかった。さらに、フミン質についても研究した結果、吸光度による照射率の減少が分解速度への影響に寄与していることが確かめられた。 次に、光触媒を用いた処理として、二酸化チタンを触媒として使用し、光源として自然光並びに自然光を模したクセノンランプを用いた反応系について研究を行った。その結果ベンゼン環をもつ各種芳香族系の分解反応、各種の農薬の分解反応について知見が得られた。分解速度の解析や、初期濃度による分解速度への影響についても考察を行った。さらに、それら対象物質の単独処理だけでなく、共存している系での反応についても研究を行い、中間生成物やpHの変動による反応速度への影響に関する知見が得られた。
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[Publications] 大垣眞一郎ら: "水中における芳香族化合物の光触媒反応" 第29回日本水環境学会年会講演集. 46-47 (1995)
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[Publications] 大瀧雅寛、大垣眞一郎: "紫外線照射による有機ハロゲン化合物の分解効果と消毒効果" 環境科学会1995年会講演要旨集. 162-163 (1995)
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[Publications] 大瀧雅寛、大垣眞一郎ら: "中圧及び低圧紫外線ランプによる有機塩素化合物の分解" 水道協会雑誌. 64. 24-32 (1995)
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[Publications] 大垣眞一郎ら: "二酸化チタンを用いた芳香族化合物の光触媒反応" 用水と廃水. 36. 12-16 (1994)
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[Publications] S. Ohgaki et al.: "Photolysis of Aromatic Chemical Compounds in Aqueous TiO2 Suspensions" Journal of Water Science Technology. 30. 39-46 (1994)