1995 Fiscal Year Annual Research Report
縦渦発生による超高層建物の空力制振技術に関する開発研究
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06555170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 哲郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90251660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野沢 剛二郎 清水建設, 和泉研究室, 研究員
山田 貴博 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (40240022)
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Keywords | 超高層建物 / 空力制振 / 動的天秤風洞実験 / 変動空気力 / 縦渦 / カルマン渦 / 流れのシミュエーション / 流れの可視化 |
Research Abstract |
本研究では、高層建物の代表的形状である角柱に作用する空気力に関し、流体力学的な手法を用いて低減させることを目的としている。すなわち、角柱から発生する交番渦に着目し、角柱の隅角部に三角楔などの渦発生器を設置して縦渦を発生させて、強い横渦の発生をおさえ、高層建物の渦による風向直角方向の振動の抑制を実現するものである。本研究により、高層建物が建設される場合に、強風時における風力ならびに振動応答を低減し、建物の快適な居住性および耐風安全性を確保するための以下の成果が得られた。 1.空力低減効果の圧力データによる検証とデータベースの構築 隅角部に隅切りを有する二次元ならびに三次元角柱を対象に、風洞実験ならびにシミュレーションを行った。両実験結果の比較により解析の妥当性を圧力分布の再現まで含めて詳細に検討した。また、縦渦発生の効果について、角柱に作用する圧力に着目しながら乱れの影響などを検討し、今後本技術の機能を向上させるための基礎的データベースを構築した。 2.縦渦発生時の二次元および三次元角柱の空力制振時の動的挙動の把握 超々高層建物の角を落として、隅切り部分を四隅に作り、そこに三角錘を設置するという空力制振技術を提案し、まず変動空気力に関しては低減効果を平成6年度に確認した。ここでは、さらに接近流に含まれる乱れの強さの影響ならびに三次元効果について検討した。また、建物の振動応答を抑制することができることの直接的な確認を行うことを目的とした。二次元角柱を対象とした空力弾性問題のシミュレーションを行ない、特に、高風速での渦励振領域での本空力制振技術の有効性を検討した。 3.縦渦発生器による空力制振技術の性能評価 縦渦発生器関連の風洞実験ならびにシミュレーション解析をまとめ、本空力制振手法の技術的な総合評価を加え、設計の場に応用することの見通しをたてた。
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[Publications] 田村哲郎: "扁平角柱まわりの流れと風圧力の三次元解析" 日本建築学会構造系論文集. 474. 41-48 (1995)
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[Publications] Tetsuro Tamura: "Numerical Study of pressure fluctuations on a rectangular cylinder in aerodynamic oscillation" Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. 54/55. 239-250 (1995)
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[Publications] Tetsuro Tamura: "Three‐dimensional simulations of an oscillating rectangular cylinder" Proc.6th Int.Conference on Flow‐Induced Vibration. 181-192 (1995)
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[Publications] 野澤剛二郎: "Piomelliの手法によるDSGSMを適用した3次元ラフネスまわりの流れのLES計算" 第27回乱流シンポジウム講演論文集. 31-32 (1995)
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[Publications] 野澤剛二郎: "角柱まわりの剥離流れに関するLES" 第27回乱流シンポジウム講演論文集. 33-36 (1995)
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[Publications] 山田貴博: "非圧縮体に対するMINI要素の数値不安定性" 構造工学における数値解析法シンポジウム論文集. 19. 101-106 (1995)
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[Publications] 田村哲郎: "構造物の耐風工学" 日本鋼構造協会, 426 (1995)