1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555181
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安井 至 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20011207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都野 太 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70232874)
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Keywords | ITO / 配向性 / 薄膜 / 電気伝導 / スパッタリング |
Research Abstract |
本研究の目的は、透明電極薄膜として実用化されているIn_2O_3-SnO_2(Indium Tin Oxide,ITO)に積極的に配向性を持たせて薄膜を形成することにより、より高い電気伝導度を実現することである。配向性を制御する法としては、本研究の独自の方法であるガラス基板上に、配向性を示す薄膜を堆積させ、その上にITO薄膜を堆積させることにより行った。まず、下地となるc軸配向性を示すZnOを選択し、配向性を示すZnO薄膜のスパッタリング条件を決定した。また下地ZnO膜の成膜条件は一定とした。一般にITOはスパッタリング条件により、配向が(111)、(100)、(211)となるが、配向ZnO薄膜上にその種々のスパッタリング条件下でITO薄膜を堆積させた結果、すべてのITO薄膜が(111)方向に配向し、この手法により配向性を制御することが可能であることが判明した。このような手法で薄膜の配向性制御をした例はなく、工業的にも非常に有意なことである。また、配向性を制御したITO薄膜と、同条件でガラス基板上に堆積させた薄膜との四探針法で測定した電気伝導度を比較するとほぼ無関係であった。したがって、配向性がITOの電気伝導性に直接的には関与していないと考えられる。一方、配向性制御することにより様々な事象が現れた。その一つは、ZnO上のITO薄膜の結晶性が良いこと、結晶性が良いため可視光領域での透過率の高いこと、あるいは薄膜中のSnの濃度が変化していることが見られた。この配向性により薄膜中のSn濃度の変化しているということは、配向性制御によりITO薄膜中でのキャリアの発生を直接関与するSn量がコントロール可能であることが示唆されるということであり、新たな高伝導性ITO薄膜を合成する可能性が見出された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Chun-Hun Yi: "Microstructure of low resistivity Tin-doped Indium Oxide films deposited at 150-200C" Japanese Journal Applied Physics. 34(2B). (1995)
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[Publications] Chun-Hun Yi: "The effect of Tin concentrations on structual characteristics and electrooptical properties of Indium Tin Oxide prepared by RF magnetron sputtering" Japanese Journal Applied Physics. 34(2A). (1995)