1994 Fiscal Year Annual Research Report
CVD法によるコイル状カーボンファイバーの連続合成法の開発
Project/Area Number |
06555185
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
元島 栖二 岐阜大学, 工学部, 教授 (80021608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 敦之 セントラル硝子(株), 宇部研究所, 主任研究員
岩永 浩 長崎大学, 教養部, 教授 (40039772)
長谷川 功 岐阜大学, 工学部, 助手 (20237960)
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Keywords | 炭素繊維 / 気相成長炭素繊維(VGCF) / コイル状ファイバー / CVD / アセチレン |
Research Abstract |
1.バッチ式基礎実験装置(内径23mm,横型)を用いて、アセチレンの金属触媒活性化熱分解法によりコイル状のカーボンファイバーを合成し、コイルの合成条件を詳細に検討した。その結果次の事が明らかにされた。 (1)触媒としては、Ni,Ti及びWが最も有効で、原料アセチレンに対するコイル収率は50%以上を示した。 (2)コイルは用いた金属触媒に依存したかなり狭い温度領域(700-850℃)でのみ成長した.最高のコイル収率を示す最適反応温度は,750℃(Ni,W),775℃(Ti)であった。 (3)アセチレン中のチオフェン不純物の最適流量は、約0.35sccm(全ガス流量中0.24%)でありこの値から少しでもずれるとコイルは全く成長しなかった。 (4)触媒金属の最適粒度は、約2.5ミクロンであり、特に、1ミクロン以下の微粉末ではコイル収率は10%以下であった。 2.直径60mmの透明石英製横型反応管を用い、触媒を塗布したグラファイト基板あるいは金属板(触媒兼基板)を間欠的または連続的に移動しながらコイル合成を行い、コイル成長の特徴、問題点、装置設計などについて予備的な検討を行った。その結果次の事が明らかにされた。 (1)コイルは、原料ガス導入口近くでのみ成長した。したがって、原料を横型反応管の上部中央部より導入し下部より垂直に排出した。コイルは、原料ガス導入管直下に導入管直径の3-4倍の領域に析出した。その外側には直線状ファイバーが、さらにその外側には粉末が析出した。 (2)基板とガス導入口の距離は、11-21mmでは、コイルが100%析出したが、24mmでは全く析出しなかった。 (3)反応ガスの拡散を防ぐため装置内に種々のガスシールド板を設置したが、コイルは全く析出しなかった。 (4)以上の結果を踏まえて、現在、改良型の半連続装置を設計、製作中である。
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