1995 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギープラズマ放電場における傾斜機能材料の創製
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06555191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銘苅 春栄 琉球大学, 工学部, 教授 (80010875)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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Keywords | 傾斜機能材料 / 残留応力 / 放電プラズマ焼結機 / セラミックス / イミド樹脂 / ステンレス鋼 / ニッケル / 銅 |
Research Abstract |
放電プラズマ焼結機は、パルス状の直流を直接試料を詰めた黒鉛型に流して試料空間にプラズマを発生さて、同時に黒鉛型を発熱させて金属およびセラミックスの粉体を焼結し、高分子を膠着させることができる。この直接通電法に対応し、上が細く下が太い特殊な黒鉛型を開発した。その結果温度差をつけた焼結が可能になり、焼結温度の異なる材料から緻密な傾斜機能材料の作製できるようになった。 1.イミド樹脂/Al,Cu傾斜機能材料の作製 イミド樹脂は耐熱に優れた高分子であり、ICの基盤に使われている重要な材料である。この高分子を金属と組み合わせれば片面が絶縁性で、他の面が導電性の材料とすることができ、電子材料としての用途が拡大できる。本研究では、特殊な黒鉛型を用いてイミド樹脂/Al傾斜機能材料、イミド樹脂/Cu傾斜機能材料の作製に成功した。この二つの傾斜機能材料は残留応力も緩和され、安定で実用に耐えられるものである。 2.セラミックス/金属傾斜機能材料の作製 金属は靱性も大きく信頼性も高く優れた構造材料である。しかし耐熱性は1000℃を少し越える程度であり、この改善方法が色々と研究されてきた。セラミックスは耐熱性に優れているが靱性が低いため構造材料としての信頼性は低い。金属とセラミックスとを組み合わせれば優れた耐熱性の構造材料になると考えられ、セラミックスに耐熱性と強度、靱性に優れたZrO_2(3Y)を使い、金属にはステンレス鋼とNiを使用した。特殊な黒鉛型を使用することによって緻密なセラミックス/金属傾斜機能材料の作製に成功した。 3.セラミックス/金属傾斜機能材料の残留応力の緩和 傾斜機能材料の基本は、熱膨張の異なる材料の組合せで、中間組成を傾斜的に変えることで熱膨張差によって発生する残量応力を緩和することにある。セラミックスと金属との組合せでは金属は塑性変形し残量応力を緩和できるが、セラミックスの方は塑性変形できないため残量応力の緩和は困難である。本研究で合成した緻密なセラミックス/ステンレス鋼傾斜機能材料、セラミックス/Ni傾斜機能材料の残量応力を解析した結果、中間の傾斜層は金属を多く含有するような組成分布になるようにすると、残量応力の量が少なくなり、安定した材料になることが分かった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大森守、川原正和、酒井広隆、大久保昭、平井敏雄: "「温度差プラズマ焼結法によるZrO2(3Y)/SUS(410)傾斜機能材料の合成」" 粉体および粉末冶金. 41. 649-652 (1994)
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[Publications] M. Omori, H. Sakai, T. Hirai, M. Kawahara and M. Tokita: "“Preparation and Properties of ZrO2(3Y)/Ni FGM"" The Third International Symposium on Structural and Functional Gradient Materials. 71-76 (1994)
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[Publications] M. Omori, H. Sakai, A. Okubo and T. Hirai: "Preparation of Stainless Steel/ZrO2(3Y) Functionally Gradient Materials"" The Third International Symposium on Structural and Functional Gradient Materials. 65-70 (1994)
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[Publications] L. M. Zhang, J. Liu, R. Z. Yuan and T. Hirai: "“Properties of TiC-Ni3Al Composites and Structural Optimization of TiC-Ni3Al Functionally Gradient Materials"" Mater. Sci. Eng.203. 272-277 (1995)
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[Publications] L. M. Zhang, R. V. Yuan, M. Omori and T. Hirai: "“Residual and Working Stress of a TiC/Ni3Al FGM and its Structure Optimization"" J. Mater. Sci. Lett.14. 1626-1623 (1995)
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[Publications] M. Omori, H. Sakai, K. Nishiyama E. Suzuki and T. Hirai: "“Correlation Between Hardness and Residual Stress in ZrO2(3Y)/metal Functionally Graded Materials"" 粉体および粉末冶金. 42. 1384-1388 (1995)
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[Publications] T. Hirai: "“Functional Gradient Materials"in Materials Science and Technology, Processing of Ceramics" R. J. Brook, 48 (1996)