1994 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットの触覚センサーとしての圧電性エラストマーに関する基礎的研究
Project/Area Number |
06555205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 俊幸 大阪大学, 理学部, 助手 (10178858)
渡辺 宏 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90167164)
小高 忠男 大阪大学, 理学部, 教授 (20027022)
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Keywords | エラストマー / 圧電性 / 分極 / 架橋高分子 / 複素誘電率 / 複素圧電率 / ブロック共重合 / ポリフォスファゼン |
Research Abstract |
圧電性エラストマーはゴム状の弾性率を持ち、変形によって分極の変化が生じる架橋高分子である。圧電性エラストマーを調製し、試料のエラストマー調製条件や印加電圧とその複素誘電率、複素圧電率の関係を詳しく調べ、また種々の力学的刺激に対する電気的応答を調べ接触センサーとしての性能を調べることを目的とする。 本年度は架橋反応と誘電分極の関係の時間依存性を詳しく検討するため、データを時間分割でとるための装置を構成した。このために、QuardTec社の自動RCL測定器およびパーソナルコンピューターを本年度科研費で購入し、計算機のプログラムに従って複素誘電率の自動測定を行う装置を構成した。同時に、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体を合成し誘電測定を行った。この系では、イソプレンブロックのノーマルモード過程による誘電緩和がスチレン相のガラス転移温度より低温の310K付近でも観測され、架橋点としてミクロ相分離構造を利用することは好ましくないことが明かとなった。また熱刺激電流の測定をKeythleyの高速電流計を用いておこない上述の結論を確認した。次に、主鎖に平行な双極子を持つ、いわゆるA型高分子を電場中で架橋した試料として、ポリフォスファゼンを用い過酸化ベンゾイルを用いて電場中で架橋した。架橋試料について、フィルムに直角方向に圧縮の力を加え、圧電信号を得られることを確認した。さらに空間電荷型の分極による圧電体についてはテレケリックポリジメチルシロキサン(PDMS)にポリエチレンオキシドを分散させ、電場下でPDMSを架橋したが、まだ圧電性は確認できていない。 次年度はさらに種々の系について同様の測定を行い本研究の目的に合う試料の調整条件を解明する。
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Research Products
(2 results)