1995 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットの触覚センサーとしての圧電性エラストマーに関する基礎的研究
Project/Area Number |
06555205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 俊幸 大阪大学, 理学部, 助手 (10178858)
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Keywords | 圧電性 / エラストマー / ロボット / 触覚センサー / ゴム / 架橋 / 電場 / エマルジョン |
Research Abstract |
本研究の目的は、圧電性エラストマーを調整し、柔らかい手を持つロボットの触角センサーに応用するための基礎的研究を行うことにある。すなわち試料の調製条件や、印加電圧と得られた圧電性エラストマーの電気的物性の関係を調べることを目的とする。 本年度は、ゴム状高分子にポリプロピレンオキシド(PPO)を分散させた空間電荷型の圧電性エラストマーの調整を試みた。まず末端架橋型の液状ゴム中にPPOを分散させたエマルジョンについて、電場によるモルフォロジー変化を詳しく調べた。その結果、PPO液滴は単一粒子系に比べて低い電場で分裂(バースト)した。これはPPO含量に比例して有効内部電場が増すためと説明できる。また、誘起双極子間の相互作用により、数個のPPO液滴が数珠状に連結するのが観測された。数珠状にならない液滴は電荷を帯び電極方向へ移動し系を分極させることがわかった。次にゴムの架橋反応速度を調べるため液状ゴム/PPO混合系のずり弾性率を350Kで測定した。このように空間電荷による分極とゴムの架橋条件を調べた後、試料を電場中で架橋し、圧電性エラストマーを調整した。このような系について圧縮による圧電率を電場およびPPO濃度の関数として調べた。その結果、圧電効果による弱い信号が得られた。しかし再現性は悪く今後さらに条件を変えて実験する必要があることがわかった。 大きい双極子能率を持つ棒状高分子をゴム状高分子と混合し電場中で架橋する方法はもっとも高い圧電性を示すと予想される。そこで高分子のような系の分子運動に関する基礎研究として、ポリヘキシルイソシアネート/ポリイソプレン/溶媒3成分系の誘電緩和についても研究した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.J.Freire: "End-to-end Vector Correlation Function in Many-Chain Systems." Macromolecules. 28. 4747-4749 (1995)
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[Publications] K.Adachi: "Dielectric Spectroscopy on Dilute Blends of Polyisoprene/Polybutadiene:Effects of Matrix Polybutadiene on the Dynamics of Probe Polyisoprene." Macromolecules. 28. 3588-3596 (1995)
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[Publications] K.Mitani: "Ion Conduction in LiSCN/Dimethylformamide/Poly(propylene oxide) System.I.Dissociation Equilibria of LiSCN" J.Polym.Sci.Polym.Phys.Ed.33. 937-946 (1995)
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[Publications] K.Mitani: "Ion Conduction in LiSCN/Dimethylformamide/Poly(propylene oxide) System.II.Mobility of Lithium and Thiocyanate Ions." J.Polym.Sci.Polym.Phys.Ed.33. 947-954 (1995)