1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555218
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 尚司 東北大学, 工学部, 助教授 (00111253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 博文 富士電波エンジアリング(株), 技術課, 技術課長
菊池 淳 東北大学, 工学部, 教授 (00005307)
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Keywords | ピンチ力 / 電磁気力 / 誘導電流 / 非金属介在物除去 / 溶融金属 |
Research Abstract |
溶融金属中に懸濁する非金属介在物が最終製品に残留すると、製品の傷や割れなどの重大な問題を引き起こす。そこで本研究では、この非金属介在物を交流ピンチ力を利用して除去する方法を開発することを目的とした。平成6年度は装置の開発に必要な基礎的知見を得ることを主たる目的として、以下のような研究を行った。 1.水銀-水系のモデル実験 (1)ピンチ圧力の測定:内径20mmのガラス管に水銀を満たし、ガラス菅の両端に取り付けた電極により水銀に交流電流を印加した。このとき水銀中に発生する圧力変化ΔPをマノメータにより測定した。電流を印加すると円管内の水銀が旋回する現象が起こり、これによってΔPが理論値の約1/2となった。しかし旋回を強制的に抑制するとΔPは理論値と一致した。この旋回現象は他への応用の可能性があり、今後も検討を行う予定である。 (2)水滴の泳動実験:上述の水銀中に下部から細管ノズルを挿入し、既知のサイズの水滴を発生させる。ノズルより離れた水滴は浮力によって上昇しながらピンチ力の作用で壁に向かって泳動し、やがて壁に付着する。この付着位置と印加電流との関係を調査した。水滴の直径は約2mmで、電流は100-600Aの範囲で変化させた。水滴の付着位置は理論値とほぼ一致した。以上の実験によって本法の有効性が確認できた。 2.溶融金属中介在物生成実験 本法による介在除去実験を行うためには、実験の容易な低融点金属中にサイズおよび量を正確に規定した介在物粒子を懸濁する必要がある。その方法としては、溶融錫-アルミニウム合金中に酸素を吹き込む方法、溶融錫中に金属粒子と酸化錫粉末との圧粉体を投入する方法などを試みているが、未だ十分な成果は得られていない。次年度の引き続き検討を行う。
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