1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06555223
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Research Institution | KURUME NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
松原 安宏 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (20044258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 義興 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (10044281)
笹栗 信也 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (50215737)
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Keywords | 多元合金白鋳鉄 / 炭化物形態 / 熱処理特性 / 残留オーステナイト / 耐アブレ-ジョン摩耗 |
Research Abstract |
1.多元合金系白鋳鉄の熱処理特性に及ぼすCおよびVの影響 多元系基本合金(Fe-5Cr-5Mo-5W-2Co-V-C)のCおよびV量を,それぞれ1.4-2.4%および1.8-7.0%に変化させた白鋳鉄に,焼入れ,焼入れ一焼もどし熱処理を施し熱処理条件と硬さおよび残留オーステナイト(γ)量の変化を調査した。その結果、高い焼もどし硬さを得るためには,低C系鋳鉄ではγ化温度を高く,高C系では低くして焼入れする必要があり,また,低V系では低く,高V系では高くしなければならないことが明らかになった。さらに,二次硬化により最高硬さが得られる焼もどし温度は,残留γ量が2%以下に減少する最低焼もどし温度と一致することがわかった。 2.多元合金系白鋳鉄の耐摩耗性の評価 本合金系の化学反応を調整することにより晶出炭化物の組合せを制御した鋳鉄を用い,熱処理によりほぼ等しい硬さを有する試料のショットブラスト式アブレーション摩耗試験を行った。その結果,MCとM_2C炭化物が共存,およびMC,M_2C,M_7C_3が共存した鋳鉄がもっとも耐摩耗性に優れ,MCとM_7C_3が共存した鋳鉄は著しく劣ることが判明した。また,同じ硬さでも残留γ量の高い鋳鉄ほど摩耗速度は小さく,試験途中に生ずる残留γの誘起マルテンサイト化に起因する加工硬化が耐摩耗性を改善することが判明した。
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Research Products
(2 results)